再開
体調の関係でしばらくの間週3投稿に戻します。
「ふむ、そろそろ警戒を緩いものにしてもいいかもしれませんね?」
マツリが外の様子を数分伺い、その結果という感じで報告してくれる。
「妖精の過剰というか魔神の不足というか。どちらも正しくないかもしれませんけれども、そのあたりの問題は解決したんじゃないかって思います」
引きこもり6日目。大学の方は、リモート授業は始めてしまったのだからこれからも続けられるようにしようということで、通学して教室で授業を受けるのも、あるいは自宅で生配信を見るのも自由になった。バイト代を渡すので適当なときに部室に顔を出すように、と部長には言われているが基本的にそれ以外では学校に行かなくてもいいかもしれない。他の友人たちはリモート授業を受けつつゲームをしているようで、成績が心配だとお互いに笑い合っていた。
「妖精の比率がどうにも減っている気がしますね。魔神の方は見かけていませんけど、そのうち遭遇するかもしれません」
「完全に無警戒はまずいけど、これからは交通事故や通り魔を警戒するくらいのレベルでいいかもね」
着るエアバッグだとか防刃ジャケットだとかを着ている人もいるらしいけれども、さすがにそこまでの警戒はしない。マツリとイノリが居るのだし、そのあたりは俺を抱きかかえて避けてくれそうである。
「あ、これからも身辺警護……というかついていって護衛みたいなことをするのは続けるから覚悟しておいてね。ご主人の生活は全部私が監視しておいてあげるんだから」
「いや、守ってくれるのは非常にありがたいんだけどその言葉のチョイスはどうなのさ」
「あ、私もそういうのやったほうがたのしいことになりそうですよね? 一番最初のお風呂の時みたいに」
「ややこしいことになってきたぞ!」
もうヤケクソである。ここ数日の間は2人と爛れた生活を送ってきていたのだけれども、それはそれとして外に出てスッキリしたいというのはある。
「よし、久々に学校に向かうとするか」
「うん? この時間から出発したら1時限目に間に合わないんじゃない?」
「いいんだよ、今日は外に出ることが目当てだし。授業の方はキャプチャして録画してあるから」
「地味に手間かけてますねぇ……まあ、気晴らしは必要でしょうし。ゆっくり行きましょうか」
イノリは小さい状態、外出スタイルに変わる。
「マツリ、イノリ、行こうか」
「はぁい、行きましょっ」
「落とさないように連れてってよね、ご主人」
「ん、落としたことはないと思うけど気をつけるよ」
「違いますよご主人、イノリはちゃんと手に持っていてほしいって言ってるんですよ」
「ち、ちが……違わないです」
「おぉ、そうか……こっちおいで」
「ん」
イノリが繋がる携帯電話を右手に持ち、その手の親指にイノリが抱きつくようにくっつく。なんとも可愛らしい。
「じゃあ、こっちは私ですよねぇ?」
なんだかねっとりとした言い方で、左腕にマツリが抱きつく。胸に腕を抱き込み、手を恋人握りのようにしてくる。握ったままお腹のあたりに誘導されて、違う意味で動きにくくなってしまう。けれども振り解いたりはしない。
「よし、じゃあ行こうか」
ちょっとばかり動きにくいけれども、なんてことのない日常を3人で歩む。
もしかしたら、ちょっとした波乱くらいはあるかもしれないけれど。
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今回の投稿で10万文字に到達しました。




