向かい
「まあ現状どうにもなりませんしね。魔神を寄せようとしたら、それはそれで余計な自体になりそうですし。だったら妖精の方の対策をするほうが大事です」
「そのあたりの手段って何かしらあるのか?」
まあ言ってしまえばその辺の知識がない。マツリは人型になったときにある程度の現代知識を手に入れたというが、俺の方はマツリと血肉を混ぜたがそんなことはなかった。
「そのあたりは姿を得たことが大事ね。ご主人がもし異形の存在になったり、とかだったら知識は手に入るかも。まあそんなコトしなくても私たちがある程度知識提供はできるしね」
「なるほど、そういうことなのか」
「話を戻しまして妖精対策ですけれども。対策手段がなくはないのですけれども、私たち3人のチカラは、現象を相手にするとそんなに強くない……例えて言うならば、戦闘機があっても台風や嵐に対してそれを止められる対抗手段は存在しません。スケール的には結構違いますけど、そんなものになります」
「つまり、なにもできないと?」
「そうでもないですね。実際に災害の予兆がある場合は危険な場所から離れて、避難場所の安全を確実なものにします。あとは避難先での生活のためにいろいろ……まあそれと同じです」
「妖精が沢山いる危険な場所には近寄らない。避難場所、まあ家だとか宿だとかの安全をしっかりと確保する。しばらくどうにかできるように準備する。準備に関しては食料とかだけじゃなくて、デコイとかも用意しておかないとね」
「うーん、難しい」
「追い払う方の策は今はできませんけれども、危険を避けるための策ならばそれなりに十分に行けるかと。この前大きな妖精が出たじゃないですか。だから、少しばかり警戒はしておいたほうがいいですよね」
ということで、この住処に対して結界を作ることに……部長に習った方法で、強いものが作れたらしい。らしいというのは俺自身が結界の様子を探ることができないからだ。マツリとイノリもそれぞれ結界を張りなおし、合計で3重の防護壁となるらしい。
「物理的な防御は中から外に音を漏らさないようにする程度だから、十分かって言われたらそうではないけど、妖精に気付かれないようにっていうことなので、これで問題ないわ」
本物の嵐や火災には対抗するものではないとのこと。また、妖精がすでに起こした何かしらへの対処も多少軽減するとはいえあまり効果的ではないらしい。
「これはあくまで妖精避けだから」
「まあそうか……魔神が今はこのあたりに少ないんだよな?」
「そうですね、ちょっと尋常じゃないくらいに少ないです」
「それってこのあたりだけか? それとももっと広い範囲?」
「確認していないのでわかりませんが、以前一緒に服を買いに行った……んんっ、デートしたときにも妖精が多かったのでおそらく広範囲で起きていることかと。大学の方もそれなりに離れていますけど、そっちでも妖精ばかりでしたし」
「うーん……俺の運がわるいばっかりじゃなくて、どこかで誰かが魔神を集めたり、あるいは消費していたり……っていう可能性はないか?」
「あ、どうなんだろう。その可能性は結構真面目に考慮してもいいのかもしれない」
イノリが髪をいじりながら呟く。
「だとして、誰が……あるいは、なにが?」
マツリの方も考え込む姿勢になる。しばらくはややこしい事になりそうだ。
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月曜夜投稿分で第1部の終了です。




