ホリデイ
ちょっと自虐ネタあり。
「そういえば、マツリは先輩になにか言われたのか?」
無言で求められるということは今まで殆どなかったのだし、お互いに何かしら気に障ることを言い合ったりしたのかもしれない。先輩の方にもあとで聞いておくとしよう。
「んー、特には? ちょっと怒鳴り合いっぽくなって、精神的に疲労しただけですよ」
なんとなく嘘じゃないか……なんて気がしたけれども。正直なところそれを嘘だと指摘したところで、どうにもならないだろう。マツリとしても言いたくないのかもしれない、と判断してそのまま抱きしめてやる。
「イノリはご主人のこと堪能できたかしら?」
「まあまあそれなりに、だけれどもまだまだ足りないのだわ。30分くらいだと、もっともっと欲しくなるくらいにはいろいろと不足しているの」
「なら問題なしかしら。それにしても、午後からどうしましょう」
バイトがなくなり買い物も早々に終わらせてしまった。外にも出ない計画なので……そういえば、何かしらあっただろうか。本や漫画は重くなるものなので、結構な割合を実家においてきてしまった。ゲーム機やパソコンとかは1人ぶんしか本体がないし……
「あ、そうだ配信の何かを見よう」
今の時代はアニメもドラマも映画も、パソコンを経由すれば合法的に見れてしまうのだ。
「ふぅむ、テレビですか。それもいいとは思いますけれども、ご主人と一緒に遊びたいっていうのはあるんですよねぇ」
「そのあたり難しいところよね。何かしら遊びの道具があるわけでも無いのだし。いや、あるにはあるけど人数分に足りないというか」
「私達がご主人で遊ぶことはできるけど、それはちょっと違うんですよね」
主人である俺の権利はどうなってしまうんだろう。2人のおもちゃになるのはもういろいろ諦めかけているところはあるけれども、今やりたいことはそうではないのだ。
「ねえマツリ、ご主人の顔すごいことになってるわ」
「あらほんと……まあ冗談ですよ。本当に嫌なときにはやりませんし、安心してくださいね」
「うん、まあ……そのへんは大丈夫だとは思うけれど」
この2人、もしかしてずっと発情しているんじゃないだろうか。そう考えるといろいろと想像したくない想像が頭に浮かびかけるが、何をして遊ぶかということで事なきを得た。
「とりあえず、今は……去年放送された映画で興味があったのが……」
「ご主人、狐娘とかに興味があるんですか? せっかく私達が居るんですけどねぇ」
「いやまあ、否定はできないけれども」
「まあまあ、そんなこと言ってもこの放送は去年のものなのでしょう? 去年のものって言うことは私達と出会う前に興味を持ったものって言うことだから。そうよねご主人」
牛メイド2人に対して主人の尊厳など存在しないのだった。2人が本気で嫌がっているわけではなく、ただ面白そうだからというふうにからかっているのはわかる。
ということで選択したのは、バイオハザードが起きた世界で狐の妖怪が無双する話だった。
「あの狐、なんだか明確なモデルがいそうじゃないです? 式神とかの描写も結構詳しいですし、実際に実現可能かどうかはさておいて、理屈の上では結構正しいです」
「そんなことあるもんかなぁ、偶然じゃない?」
マツリの発言に対してイノリが突っ込むが、個人的にはイノリの方が正しいと思う。世の中に獣帯……世間一般に対しては妖怪と呼ばれるような存在がそんなに沢山居るのならば、もう少しそういったよくわからない事案があってもいいはず。
そう思ったけど、ここ数週間の間にマツリとイノリ、先輩、部長と立て続けに遭遇したことを思い出してしまい、そういう出来事は起きやすい人のところに集中しているんだろう、と思い直すことにした。
ちなみに映画の方はTo be continuedと表示され、とんでもなく中途半端なところで終わってしまった。なんでも実際の病気と時期がかぶってしまい、続編の制作にはそれなりに時間をあける必要があると判断したそうな。
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