表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
48/95

勘違い

「と、こんなことをしている場合ではないのでは?」


「ちょっとマツリ、急に正気に戻らないでほしいのだけれど」


 イノリがマツリにツッコミを入れる。抱きしめて押し倒された状態のままで動きは封じられているので、この状態で正気に戻ったとは思えないのだけれども。


「んと、なにかあった?」


 俺もなんとなく抱きしめた腕を離すことができない。……いや、離そうとしたらマツリからの抱きしめがキツくなったのでやっぱり正気ではなさそう。


「近場で出歩くのを控えたほうがいいということは、買い物にイノリを同行させられないということです。荷物持ちがいなくなってしまいます」


「ちょっと、いままで同行した回数のほうが少ないのにどうして今になって急に荷物持ちあつかいしはじめたのかしら」


 イノリが横から俺の頬をつついてくる。いつの間にか元通りの大きな姿になっていて、マツリに絡みつくことを要求されている腕にいたずらをしてくれている。押しのけることもできやしない状況になってしまった。


「イノリが長いこと出発することができないならば、ちょっと買い込みをしようかなー、なんて思っていたんですよ。でも買い込みをするならば荷物持ちが必要なわけで、そうなると必然的にイノリの手を借りるしかないはずなんです。でも、ね?」


「あーはいはい、考えてることにブレーキが掛かってなくて全部ダダ漏れですよっと。ご主人とお買い物に行くための言い訳なんてしなくてもいいんだから。こっちの状態でついていくことができないのは少し寂しいけれども、ストラップのフリしてご主人にちゃんとついていけるのだから、気にしなくていいの」


「まあ置いていくほうが危険かもだしなぁ」


「とは言ってもご主人、私みたいな……私達みたいな護衛もできる従者が心配だからって置いていった結果怪我をした、なんてコトになったらソッチのほうがバカみたいじゃない?」


 現状では確かに、マツリとイノリのほうが強いのだ。多少の安全策は多少手に入れたが、その教育をしてくれた人が相手になると仮定したら、正直なところ俺がやることは何も意味がないのだろう。


「ま、何かあるにしても直接仕掛けては来ないだろうけれども。やってて盗聴と盗撮くらいで、それから妖精や魔神をけしかけて来るか……」


「うーん……あ、部長から……うん? 『しばらく忙しくなりそうだから、君達のお手伝いはできない。バイト代は来週に直接渡す』って。これは言葉通り信じていいのか?」


「本当にそうでタイミングが悪いだけなのか。それとも企んでるのか……と思ったら、ご主人、これ見て添付画像」


「見て、と言われてなにか判断できるほどの実力はまだ無いんだよな」


「ああ、ごめんごめん。妖精避けと魔神避け。それから、結界の強化方法」


「部長のやることがわからない……!」


 とりあえず、外出時は小さくなっていくけれども、それ以外のときは希望的観測での行動にしよう、という結論に至った。


 部長とはそれなりの付き合いがあって。変なやつではあるけれども、悪意で行動するような人ではない、と俺が断言したからだ。


 本当に悪意で行動しているならばわざわざ結界の強化とか送ってこないだろうし。


 ちなみに後日聞いたところ、疑われているのだろうと気になって連絡をくれたのだそうだ。


 ただの完全に間の悪い人だった。

ちなみに部長ですが本当に悪意も何もなく、ただ完全に間が悪く運も悪いだけです。あと性格が悪い。


面白かったと思ってくださったなら、画面下から【ポイント】評価や【ブックマーク】、【レビュー】などを貰えると嬉しくなってやる気が出ます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ