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不揃い

遅くなりまして申し訳ございません。

 同衾といえるような何かしらが起こったわけではないのだが、いかんせんマツリの抱きしめ方はかなりきついものだった。正直絞め殺されるのではないかと危機感を感じてしまった。とんでもなく力が強い。


 とはいえなぜか寝心地が悪くなく……いや、もしかしたら締め上げられて気絶しただけか?


「そういう事ではないはずよ。私達『3つ』は、お互いが混ざり合っているようなものだからね。例えば道具もなしに自分の体を傷つけるのは難しいでしょう?」


「そういうものか……そういうものなのか?」


 イノリの声を聴いて、確かに道具なしの自傷というのは難しいかもしれないけれども、とは思った。


「いやでも、寝心地が悪くない……というかむしろいい感じだったのはなんでだろう?」


「マツリの身体が柔らかくてフィットしてたからじゃないの?」


 そういうとイノリは正面から抱き着いてきた。このままでは胸で窒息させられてしまう。


「むぐ……」


 変な声が辛うじて出てくるだけだった。イノリもマツリに劣らず力が強く、完全に抜け出せなくなってしまった。ゆっくりと呼吸するのが限界で……このまま再び寝かしつけられてしまいそうだ。あるいは気絶させられてしまいそうだ。


「待て、今何時……」


「2時よ。もう少し寝てていいと思うわ、ご主人」


「そ、うか……わかった」


 二人の身体に挟まれていると、電灯の明るさすら感じない。深い闇に沈んでいくかのように、再び意識を夢に落としていった。


***


橙色の光が窓から差し込む。結構早い時間に再び起きることが……うん?


 ……夕方じゃないか。2時って昼の2時だったりしたのだろうか。


「たまには学校をさぼってみるのもいいんじゃないですか? いつもいつも休むわけにはいかないですけど。治した……直したとはいえ、お腹に穴をあけたあとなんですから」


 2人とも確信してやっていたのか。まあ、休むことになってしまったのは仕方ない。


「今日は外に出すわけにはいきませんでしたし」


「妖精だけじゃなくてあいつも余計な事してくれたからね……まあ、危険回避のためよ」


 2人は何かしらを俺に気を使ったのだろうが、それが何かわからないのでいろいろと言うべきなのか悩んでしまう。


「んー、まあ次からは前もって言ってくれると助かるよ。さすがに急に休んでしまうわけにはいかないし」


「それくらいならば。とりあえず、きょうはこのまま休んじゃいましょう?」


「いいのかなぁ……」


 小さく呟きながらも、2人の導きには逆らえず再び抱きしめられてしまった。自分の身体からはあまり汗を感じず、2人の甘いような匂いが頭の中を支配した。何も考えられなくなる。


 疲労が溜まっていたのだろうか。動きたくないという感覚が強くなってくる。今度は抱きしめられる圧力を、あまり強くは感じない。手加減してくれているのだろうか。それとも、マツリとイノリが疲れているのかもしれない。


 微睡むような心地よさに沈んでいった



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