第3話 進路(2)
始業式のあと、3年生は残され、学年集会が開かれた。去年の先輩たちの進路状況、今後の進路スケジュール、その他諸々。しかし僕は軽く上の空だった。というのも、宇宙が気になったからだ。あいつは進学なんだろうか、就職なんだろうか。僕にしか見えない以上、僕につきまとうしかない。となると進学だろうか。しかし彼には彼の考えがあるだろうから、一人こっそりと就職かもしれない。ただこの地域の中卒就職といえば、コンビニバイトぐらいしかない。そんなのは宇宙には無理なんじゃないか。そう思っていた。やがて集会が終わり、教室に戻る。そのあと、自己紹介や担任の説明、掃除などを経て、その日は放課となった。僕は約束をした手前、急いでトイレへ向かった。
トイレに行くと、宇宙はどこにもいなかった。逃げやがったな、と思っていると個室からノックの音。どうも内部からしているらしい。その音のもとに行くと、宇宙がいた。「個室内の方が怪しまれないだろ」どうやらトイレ内で用があると思ったらしい。一応学校内だから、怪しまれても困る。とりあえず公園に行こう、と誘った。宇宙はしぶしぶ了解した。 そして2人で公園のベンチに座り、僕から質問を始めた。なぜクラス名簿に名前があったのか、そして進路は考えているのか、と。宇宙は僕が聴き終わると同時に答えた「純の思っているとおりだ、2年生の時は途中からだったのもあって、ただついてまわるだけだったけど、今年は4月からいれるんだからひっそりとクラスに入れてもらった。もちろんこんな身体だからあのクラス名簿も手書きだけどね。で、進路だけど。純についていくよ。高校なら高校、バイトならバイト。見えないならそれを武器に戦えばいいだけの話。簡単だよ。みんなそれぞれ、武器となるような強みがなんらかはあるだろう。その武器を売ってしまえばいいのさ。その武器で自分を守り続けて、自分が怪我したらもったいないもの」そして最後に宇宙は付け加えた。「なくて七癖、あって四八癖、って言うじゃないか」それはなんか違う、と言おうと思ったがやめた。




