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第3話 進路(3)

 夏休み。僕は勉強、勉強の毎日だった。志望校である八分上(はちぶがみ)高校は、天文部の活動をきちんとしていた。月に1回は近くの山から星を見ているらしい。まさに探していたものとぴったりだった。今の天文部ほど、嫌気がさすものはない。いっそのこと、帰宅部を創設して欲しい。と思いながら。ただ、勿論、天文部に入りたいです、で入れるほど甘くはない。そんなことは分かっている。となると、勉強漬けの毎日にならざるを得ない。そんな僕を見て、宇宙も怠けてはいられない、と思ったか、ひっそりと勉強し出した。一応授業は聞いているわけだから、問題は解ける。問題は僕に出逢うまでの数年間、とも言える期間だが・・・なんてことはなく、解いていった。すごいなと思うと同時になんか悔しかった。それでも日夜の勉強の甲斐があってか、8月31日はゆっくり出来た。宇宙も余裕が出来たのだろう。「純、今夜ちょっと2人きりで話をしたいから公園に行かないか」家じゃダメだからな、と付け加え、宇宙は宿題の見直しを始めた。

 深夜を回り、公園へ歩く。まだ少し暑く、しかし秋はもうすぐそこまで来ているのだなと実感する気温だった。見上げればそこには満天の星。うわあ、と心の中で叫んでいると、宇宙がやってきた。ごめんごめん、そう言いながらとなりに来た。「星、綺麗だな」ぼそっと宇宙が言う。ある意味故郷だから、綺麗というより懐かしいだろうな。と感慨にふけってしまった。「って」2人同時に口を開いた時、時刻は1時になっていた。しかし呼び出したからには何か話があるんだろう。僕は聞いた。すると宇宙はうん、と頷いた。「純、高校生になったら僕は高校生だ。しかし高校生、というのは友達がたくさん出来やすい時期でもないだろうか。高校時代の友人ほど生涯仲がいい。って言うしな。その気持ちは、分からないでもないんだよ。ただ、そのことで僕が構ってもらえなかったらどうすればいい。ほかの誰かに見えるならまだしも、純にしか見えない以上、どうすることもできない。深い深い海の中でもがくだけか。」どうやら宇宙は、高校生活の心配をしているようだった。しかしそれは心配いらない。天文部が活動しているとはいったが、あまり人気は高くない。むしろ、人気に関して言えば、下から数えたほうが早いぐらいだ。つまり、またしても浮いた存在になる。だから心配いらないよ、そう宇宙に伝えた。

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