第2話 修学旅行(3)
「ははは、意味がわからないよね」宇宙は声高らかに笑った。しかしその笑いは一瞬で真顔になった。「でも、これは本当なんだ」長くなるけど、いいか。そう聞いてから話を始めた。「実は、僕のいる宇宙では最近になって戦争が多発している。Aの星があるとすればその星の劣っているところを見つけてBの星がそれを口撃する。見ていれば、君たちの世界で言ういじめだ。それが活発して戦争になる。戦争反対、という人ほど実は小さな戦争-つまり、いじめをしているんだ。そんなちっぽけな戦争すら自分から飛び込むやつなんかに反対、なんか言われたくないけどね。まぁそれはそれとして、僕のお父さんとお母さんもその戦争の影響で住み慣れた星を逃げ出した。逃げ出せるだけならまだいい。それすらままならず、自ら命を絶つ人だっているんだからね。自分の星に自信がない、だからといって逃げ出すのは故郷に申し訳ない。そういう考えなんだろうね。もちろん僕は自殺なんてしたことないから分からないけどね。で、お父さんとお母さんが逃げ出したのを知った僕は追いかけたさ。故郷を捨てる勇気はあったんだ。しかし探せど探せど見つからない。諦めていた時だった。君たちで言うシチョウ、という感じの人から、地球に行ってみないか。と言われた。興味半分で僕は頷いたさ。すると、ある条件を出した。特定の1人にしか姿かたちが見えないようにする、と。宇宙人という話を聞くと目の色を変える、そしていじめられるのがオチだ、とね。そこで僕は探したさ。宇宙人を気にしてないような人をね。それが、純だったんだ」
会話が終わると、どこからかセミの声が聞こえた。秋なのに…。そう思っていると宇宙はすっくと立ち上がり言った。「誰も信じないだろうから誰にも言うな、とは言わない。ただ、何らかのメッセージを受け取って欲しいんだ」僕は何も言わず、並んだ。心なしか、涙目になっていた。宇宙はなにもかも規模が違う、とかいうのではない。なんだか現代社会の僕らに警鐘を鳴らしているような感じがしていた。




