第1話 出会い(3)
朝。目覚まし時計を止めると右に顔。うわああ、と叫ぼうとしたが数秒で思い出した。叫んだところで誰にも見えやしない。宇宙人の宇宙なのだと。そのまま宇宙は僕と一緒に朝を過ごした。そして学校へ行く時間。宇宙は学校に行くのだろうか。行かなくても害はないだろうが・・・と思っているとどうやら宇宙もついていくようだ。登校中、僕はこんなことを言った。「宇宙、自分で言ったからわかるだろうけど、僕以外には見えない。だから学校で友達とかといるときは会話しない。2人きりになれる場所で話そう。天文部、なんて部活に入ってる時点で変人だと思われているからさらに変人と思われたくない」念入りに釘を刺したおかげか、授業中・そして休み時間と宇宙は静かだった。やがて部活の時間。宇宙が9時間ぶりぐらいに話しかけてきた。その時、「あ、宇宙っていいやつだな。ずっと一緒にいたいな」と初めて思った。
天文部の活動はこれといってとくにない。実際に星を見るには早すぎるし、顧問が数学教師ではどの星がどこにあるかすらわからない。否、僕以外は幽霊部員だった。そんなわけで部室には見た目は1人っきりだったのもあって宇宙といっぱい話をした。僕みたいな思考の持ち主は珍しいこと、だからこうやって会いに来たこと。僕も宇宙もお互いのことを質問し、お互いに答えた。夢のような一瞬だった。下校時刻になり、僕は宇宙と一緒に歩き出した。仮にほかの人に見えるにしても男同士だし、お互いそういうイメージがないから、怪しまれることもないだろう。そう思いながら自転車を漕ぎ、ふと空を見上げると昨日より星が綺麗だった。そして三日月が照らす街灯を当てにしつつ、今日も1日が終わった。




