第9話 クリスマス(3)
家に帰った時、日付は26日になっていたし、僕の顔はいつにも増して赤かった。両親はもちろん、宇宙もぐっすり寝てたからか、僕も誰にも絡むことなく、バタンとベットに倒れ込み、すやすやと眠ってしまった。そのまま朝まで寝ており、宇宙にたたき起こされたときはもう7時になっていた。しかし会社は今日から休みだ。なぜ叩き起こしたのだろう。宇宙にもきちんとそのことは言ってるし、仕事も残してないはずだ。なんで起こしたんだよ、寝せろよ、と布団をもう一度かぶる。すると宇宙はため息をついて、言った。「じゃあそのまま聞け。今から宇宙に一旦帰る。しばらく帰ってこない。」え!と起きたときは遅く、宇宙はもういなかった。どうして今更帰る気になったんだろう。そう思いながら居間に向かい、朝食を食べる。酒が残ってるからか、宇宙が急にいなくなったショックか、頭が痛かった。
そのまま新年になり、会社が始まり、1月が終わり、それでも宇宙は帰ってこなかった。こんなに宇宙がいないと不安定になるものなのか。自分でそれに驚愕した。今まではいてもいなくてもいいやつだと思ってた。ところが実際はいないとダメな奴なんだ。宇宙、帰ってきてくれ。・・・その思いが通じたのは2月も半ばに差し掛かった頃だった。夕方に彼女からチョコをもらい、ニヤニヤしていると聞き覚えのある声で「くれ」と聞こえた。聞き間違うはずがない。宇宙の声だ。しかし、その姿は探せなくなっていた。




