第7話 成人(1)
結局、先輩には言わなかった。言ったところで嘲笑の的になるのは想像できる。それが功を奏したか、会社には1年近くいることが出来た。出来た、というのは・・・19になった時、交通事故を起こしてしまった。言い忘れていたが、18になって運転免許を取得した。それでも自動車学校では覚えが悪く、7ヶ月かかって卒業した。それだから運転は大丈夫だと思ったのが原因で、歩行者を発見して急ブレーキを踏んでしまった。しかし速度が出てたせいか、そのブレーキで撥ねてしまった。幸い、一名はとりとめたようだが会社から叱責され、解雇処分となった。それはやむを得ない。むしろ、宇宙の存在でクビになられたら笑いものにならない。第一、親になんと言えばいいのか。未だに両親と同居している社会人もどうかとは思うが。でもって、季節はいつも流れている。ついに僕は20歳、つまり成人になった。今日は成人式。緊張の中成人式の式場へ向かう。勿論宇宙も一緒だ。ただ宇宙はいつもと同じ服だったが。まあ、見えてないんだし、気にすることはあるまい。
成人式は新成人呼名から始まる。田舎で、そんなに人がいないところの有利な点だ。これが大都会だったら呼名で2、3時間は潰れるのではないか。そんなことを想像していた。言っておくが、呼ばれたのは事前に参列します、と申し込んだ人だけだ。なので全員が呼ばれるわけではない。だからといって、呼ばれなかった=いない、ではない。なんとか参列できた者もいる。勿論その逆で、参列できるはずだったのができなくなった者もいる。僕はというと、きちんと申し込んでおり、きちんと呼ばれた。しかしここに返事は必要ない。新成人は沈黙を突き通す。都会みたいに暴れるやつもいない。―まあ、僕らの学年でワルいイメージがある奴はいないのもあるが―




