第1話 出会い(1)
2000年。僕は中学2年生だった。その頃僕は宇宙人がいると信じて疑わなかった。それも普通の人が思い描くような銀色に包まれた全体像、喉を叩いたような声ではないと。地球人と同じような姿かたち、声だと信じていた。しかしこの論は誰にも言わなかった。言ったところで馬鹿にされるのは目に見えている。しかし僕はそんな宇宙人に会えた日のことを考えて、天文部に入部していた。しかし部活はそれらしい活動をしていなかった。校則で部活に全員所属することになっていたため、帰宅部というものが存在せず、仕方なく入りました感が満ち満ちていた。でも昔は天文知識のある先輩が多かったのだろう。望遠鏡とかはあった。しかしそれを愛でていたのは僕だけだった。顧問の先生ですらこんな部活は嫌だ、と目で語っていた。
そんなある日のこと、部活も終わり、帰路についていた。自転車登下校とはいえ、片道20分はかかる。ただその日はどうしても早く帰りたかった。数年に一度の流星群が見られるかもしれないのだ。だからつい、自転車のアクセルを思いっきり漕いでいた。すると、下り坂の途中で何かにぶつかった気がした。いや、ほかの人から見れば、何もなかったのだから変な気分だっただろう。僕自身、最初は「あいたっ」の声がどこから聞こえたかわからなかった。何もない当たり前の景色がそこに広がっていた。とりあえず自転車を止め、降りる。首をかしげると、「ここだよ、ここ」と前から声がした。そこには人が立っていた。




