第6話 社会人1年生(1)
仕事を始めて、初めての休日。しかし僕は家でごろごろしてなかった。タイムカプセルを埋めたあの公園にいた。何も、半年ちょっとで開封することになりました、ではない。花見の準備を頼まれたのだ。社会人1年生としては当然のことだろう。普通の人から見れば新人は僕1人だったので全部を押し付けてきた。実際は、宇宙も手伝ってくれたので言われた時間の半分で出来た。そのぶん、余裕が出来たのでひとり花見をした。思えば、宇宙と出会って初めて、まじまじと桜の花を見た。桜の花びらがシャワーのようにマットに敷き詰められていく。それを払い除けたら風情がなくなる、という宇宙の考えで下も上も桜が散りばめられていた。そのロマンチックを壊したのも、宇宙だった。「なあ、純。」ん、とややそっけなく返す。「僕は純にしか見えない。それでもいつかは死ぬ。それは何回も、それこそ耳にタコができるぐらいに言ったよな。でもさ、実際に死んだらどうする」
僕はその質問を笑った。でも数秒で真面目になり、こう言った。「それを聞くたび思うよ。じゃあ、僕が死んだら宇宙はどうなるのさ。僕の方が死ぬ確率は高いんだからね。僕が見えない、って人はほとんどいないから、それだけ殺されることも多いさ。それにな、死んだらどうする死んだらどうする、って僕には何も出来やしない。弔う気持ちはあっても葬儀とかはできないんだぞ。金があってもだ。こういう話は桜に合わないから、今日はやめようじゃないか」しかし、この時、気づいてなかったのだ。この地球の生活に若干ではあるが嫌気がさしていた、ということを。




