第5話 タイムカプセル(2)
「タイムカプセル、って知ってるか」宇宙が聞いてきた。なるほどな、とだけ返事した。答えになってないぞ、とお決まりのツッコミをしたあと「僕が純と出会えたことに感謝して、タイムカプセルを作ろうと思ってな。箱自体は他の人に見えるけどな、中身―僕が入れたものだけだけど―は純と僕だけしか見えない。だから、2人の思い出の品を誰かが入れる、じゃなくて2人でそれぞれ入れようぜ。」急にそんなことを言われても、中身がない。「2時間だけ待ってくれ」そう言うと、だろうなあ、と笑いながら宇宙は了承した。宇宙自身、中身を決めてなかったのか後ろでガサゴソしだした。タイムカプセルの定番は未来への手紙だろう。とりあえずそれを書き上げ、他に何があるか・・・を室内を見渡して決める。そこには1枚の写真があった。中学の修学旅行の時の自由時間、平和公園の1枚。宇宙も元気にピースなんかしてる。これも入れよう。
2時間後、どうだ、と聞いてきた。僕はいいけど宇宙は?聞くまでもなかった。すでに箱の中に入っているのだ。あとは僕が入れ、封をするだけだった。それが終わると、また新たな疑問。どこに埋めるのだろう。「あ、考えてなかった」宇宙が笑いながら言う。笑いながら物事を言う時は嘘であることが高い。事実、すぐに出てきた。家の近くの公園である。地元就職だから家に留まるわけだし、断る理由は何もなかった。ただ、真昼間からヘンテコな箱を埋めていたら変に思われても仕方ない。夜中、こっそりと埋めることにした。




