第5話 タイムカプセル(1)
それからの僕らは何事も変化なく、僕はすくすくと育ち、宇宙も僕を追い抜け追い越せで成長していった。気づけば、高校3年の夏を迎えていた。宇宙と出会って2度目の進路選択の時期である。地元就職、までは中学時代、宇宙に出会う前から揺らがなかった。しかし具体的な会社名は決まってなかった。そのため平日は進路指導室の常連になり、求人票をこれでもか、と見ていた。そして家からの距離などで心の中でひとり面接していく、そんな感じだった。それもあって休日はぐったりし、宇宙とのコミュニケーションも疎かになっていた。そんな僕を宇宙はじっと見ていた。そんなある日のことだった。その日も休日でぐったりしており、軽くうたた寝していた。そんな僕を起こしたのは、カラン、という音だった。音のする方を見ると、宇宙が銀色の箱を持っていた。
「今日は何の日でしょうか?」宇宙がいたずらっぽく問いかける。カレンダーにも手帳にもなにも書いてない。夏至とかいう節季的なものではないだろう。星座的なことだろうか。そう思い、本棚から星座帳を取り出す。1999年から10年間使える、という素敵なもので、中学の入学祝いに買ってもらったものだ。その本をぱらぱらとめくっていると、手書きのコメントが目に入った。日付は2000年の今日、つまり5年前。そこに書いていた。「そら、とかいう子に出会う。宇宙と書くらしい。」わかったか、と宇宙がなおもいたずらっぽく聞く。初めて出会って5年?疑問文で聞く。宇宙はにっこりして、「正解」と答えた。じゃあその銀色の箱は?そう聞こうとした時だった。




