人物紹介(第四部)
第四部に出てくる人だけを並べておく。
この先どうなったかは、書かない。
第四部は二〇一四年の六月から二〇一五年の三月まで。僕は十五歳から十六歳になる。
高梨 秀真
この記録を書いている人間。
高校で一番になれなかった。三百二十人の、真ん中のあたりにいる。
真ん中という場所に、名前がついていない。
高梨 佳代子/母
専業主婦。料理がうまい。記憶力がいい。よく笑う。
順位の紙を、いまも両手で持つ。持って、何も言わない日が増えた。
一度も怒鳴らない。
高梨 隆/父
製薬会社の営業。医者に頭を下げて生きている。
家にほとんどいない。この年は、三月に一度だけ短い言葉を残した。
息子に医者になれと言ったことは、一度もない。
高梨 千尋/妹
四つ下。四月から中学生になる。
兄の高校の名前を、もう言わない。
彼女には、まだ何も習わせていない。
小柳 亜季/同級生
同じクラス。授業で手を挙げる人。
分からないところを、分からないと言う。
僕の上に、名前が出るようになった。
宮内 遼/高校の同級生
同じクラスにいる。入って二週間で、学年じゅうが名前を知っていた。
僕が四十分かけた問題を、雑談しながら解く。
感じの悪いところが一つもない。
三浦/陸上部
速くない。長距離で、たいてい最後に上がってくる。
練習のあと、いちばん長く笑っている。
僕に一つだけ質問をした人。
以上。
七人いる。第三部にいた人のうち、三人がここにいない。
一人は、いまも隣に住んでいる。




