人物紹介(第三部)
第三部に出てくる人だけを並べておく。
この先どうなったかは、書かない。
第三部は二〇一四年の三月から五月まで。僕は十五歳のままだ。
高梨 秀真
この記録を書いている人間。
県立東雲高校に受かった。
発表の日のことを、順番に並べられる。並べられるだけだ。
高梨 佳代子/母
専業主婦。料理がうまい。記憶力がいい。よく笑う。
発表の日に泣いた。僕が見たのは二度目になる。
一度目がいつだったかを、母のほうは覚えていないと思う。
高梨 隆/父
製薬会社の営業。医者に頭を下げて生きている。
発表の日は仕事だった。夜に帰ってきて、そうか、と言った。
息子に医者になれと言ったことは、一度もない。
高梨 千尋/妹
四つ下。四月から六年生になる。
兄の高校の名前を、友達に言ったらしい。
彼女には、まだ何も習わせていない。
大山 航/隣の家
中学まで同じだった。クラスは三年間で一度も同じにならなかった。
高校は別になる。となりに住んでいるのに、別になる。
最後に何を話したかを、僕は覚えていない。
父方の祖母
父の実家にいる。年に何度か訪ねる。
合格の報告に行った。祖母は、まず父の顔を見た。
それから、よかったねえ、と言った。
小柳 亜季/同級生
同学年。二番目にいた人。
同じ高校を受けて、同じ日に受かった。
高校でも二番目にいるのだろうと、僕は思っていた。
佐久間先生/中学の担任
担任。声が大きくない。
卒業式で、僕の名前を呼んだ。
呼んでから、少し間があった。
以上。
この部だけ、短い。二か月しか入っていない。
入れるものが少なかったからではない。この二か月のことを、僕はいちばんよく覚えている。




