ワーフの大聖堂では
アリフとダールが去った大聖堂。
ナギとナリダが話をしていた。
「ナギ・ウサム。ありがとうございました。それでは」
「うん。何かあったらまたいつでも」
ナリダはぺこりとお辞儀をして立ち去った。
残されたナギ・ウサムに話しかけたナダがいた。
「ナギ・ウサム。何かありましたか? 」
「ああ、ナダ・ナフラ。いえ、何でもありませんよ」
「あのナリドは、キタムかしら? 」
「ええ。キタムです。
いえね、アリフはどうしていなくなったのかと尋ねてきたんですよ」
「ああ、アリフのことですね」
「はい。育て親の容体が悪いから一度家に帰ったということを伝えましたよ」
「キタムは……アリフと仲がよいのかしらね」
「なんでも図書館で、よく話をしていたそうですよ。
あのアリフが、おとなしいキタムと気があったのでしょうかね」
「そうですね。意外ですね。ほかには何か? 」
「アリフはいつ帰ってくるのかと聞かれましたよ。
それはあちらの様子次第だからわからないと言いました。
まあ、容体が良くなったとしても……戻ってくるかどうかは、わかりませんがね。」
「キタムは、アリフが心配なのでしょうかね」
「ああ、心配なのは戦争のことだと言ってましたよ。
それはみんな同じですけどね……」
「そうですね。心を強く持ちましょう」
「はい。キタムにもそう言いました」
「そうですか……」
「では、ナダ・ナフラ。私はこれで。」
「ええ。ごきげんよう」
ナダ・ナフラは空を見上げた。
小さな鳥が一羽、すっと空を切った。




