8月14日
……
部屋は静かだ。
この声は誰が?
遂に俺もここまで来たのか……
シバ「おい。」
イヌカイ「あ、あぁ、なんだ?」
シバ「お前は目を開けながら夢でも見るのか?」
イヌカイ「ボーッとしてただけだよ、何かをしなくちゃいけない法律はどこにもないからな…」
シバ「そうだな、法に心得があるのか、関心だな。」
イヌカイ「それはどうも。」
シバ「しかしお前は友達は居ないのか?」
イヌカイ「なんだよ、そんなに1人なのがおかしいかよ?」
シバ「あぁ、お前と同じ歳のこの頃の子供は夜も友達と遊んでたりするぞ?」
イヌカイ「俺にそんなパリピな遊びは似合わないんだよ。家で本を読むかテレビやスマホを見るしか無いんだよ。」
シバ「学生なのに勉学がそこに入らないのは感心しないぞ。」
イヌカイ「誰が喜んでするんだよ。」
シバ「お前の天体観測だって立派な天文学じゃないか。」
イヌカイ「現代の教育下で行われている物に天文学という独立したものはめったにしない。」
シバ「だが天文学、学にはなっているぞ。」
イヌカイ「ほっとけ!ああ言えばこう言う、揚げ足のオンパレードだな。」
シバ「ただ気になるだけだ。」
「……」
イヌカイ「そうだ、お前はいつもどこに帰るんだ?」
シバ「?帰るとは?」
イヌカイ「あぁ、そうだ、家はこの辺なのか?」
シバ「私はお前だ、ここが家だぞ。」
イヌカイ「は、はぁ……?」
シバ「そうだ。」
「……」
シバ「それじゃあ、いつも消える時間になった。」
イヌカイ「あ、ああ、そうか…」
ベランダから飛び降りて消えた。
幾度と無くベランダから飛び降りる行為を目に見た世界は知覚できないほど少しの歪みを受けつつあった。




