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撤退を
人としての予備動作が全く無しで、ノアが距離を詰める。
亀が歩くよりもゆっくりなのに、全員動けない。
正に恐怖その物がこちらへ来ているようだ。
恐怖耐性が低いソフィーが泣き出してないだけで上等だと思えるぐらいに異常だった。
「……逃げるよ」
沈黙を切り裂いたのは燈火だった。
拒否する言葉は無い。
水の牢獄をコントロール出来るのはミホだけ。
維持したままに、『移動』を使って逃げ出せる可能性を持ってるのもミホだけ。
「魔力が足りない……!」
「意地でも何とかしなさいよ!」




