前へ目次 次へ 1121/1128 顔のない少女 黒霧が動きを見せた。 ギュッと人の大きさになる。それも小さめな少女くらい。 白のドレスを身にまとった少女はしかし、その顔の部分が塗り潰されたように見えない。 まるで、見てはいけないものを見たように背筋が凍る。 声を発しては行けない緊張感を感じる。 動いては行けないと本能が警告する。 誰が唾を飲み込む。 目を閉じることすら憚られる。 一瞬で悟った。 逃げるべきだと。 魔法がどうとかの話じゃない。 だから青の魔法使いであるミホですらフリーズしている。