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現炎使い
「あ、逃げる!」
あと僅かで閉まる水の檻。
隙間なく逃げ出せない様になっているが締切る前の隙間目がけで黒霧が動き出す。
その場所が地上から遥か上空だから止めようがない。
攻撃から一転逃げに徹されると手が付けられない。
「ミホ、アンタの移動使ってよ!」
「無理、この水の量を維持出来なくなる!」
梅なら斬って誤魔化せると思ったが、そこへ行くまでの道筋が途絶えた。舌打ちをしながら見てるだけの自分に苛立ちを覚えた。
またも失敗かとその時を待つしかない。
『原初の手、我らに宿りし灯火よ……業火となり焼き尽くせ』
白に近い炎柱が渦を巻き天へ登る。




