第92章ーー朝チュンーー
朝
ーーチュンチュンーー
ヘスペリア-3には、いるはずのない小鳥の声。
目を覚ましたさぎりとミオ。
「ミオちゃん、おはよう」
「おはよう」
「ねえ、ミオちゃん……私が寝たとき……」
「私にキスしながら自分でここ触ってたでしょ。気持ちよかったの?」
ミオはビクンとして震えてから、かろうじて言った。
「ごめんなさい……気持ちよかったです」
「なんでそんなことするの?」
「さぎりちゃんの寝顔がかわいくて我慢できなかったの」
ミオは体をこわばらせ、さぎりを抱きしめた。
その反応に、またさぎりの意識がなくなった。
――チュンチュン――
「とにかく起きよう。喉渇いちゃった」
「うん、私も。お腹減った」
二人はベッドから起き上がる。
すると、さぎりが言った。
「あ、シーツ洗わなきゃ。シャワーも……」
「ありがとう、さぎりちゃん」
ミオがそう言うと、さぎりは一瞬硬直した。
そして、その場にへたり込んだ。
「ええーーん。ミオちゃんのバカぁー。自分でするなんてー」
するとミオもビクッとしてから、その場にへたり込んで泣き出した。
「あああーん。だってー。さぎりちゃんの意地悪ぅー」
◇
目を赤くした二人が、さぎりの寝室からリビングに入ると、ユノがいた。
ユノは上機嫌に小鳥のブレスレットをかざしながら、
「チュン! チュン!」
と、歌うように言っていた。
「鳥の声、ユノだったのね。おはよう」
「おはようございます」
「さぎりさん、今日はツインテールなんですね」
「あ、」
さぎりは両手で自分のツインテールをつかむ。
そのさぎりの姿を見て、ミオがへたり込む。
「大丈夫ですか?」
「だって、さぎりちゃんが……」
ミオはそれ以上、言葉にならない。
そして、さぎりもまた、へたり込んだ。
「……もう、ミオちゃんのバカ」
「待って。ちょっと私たち、シャワー浴びてくるね……」
二人は重くなったシーツを洗濯乾燥機に入れてから、シャワー室へ向かった。




