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木星の雨音  作者: ぴいちゃん


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第89章――ナナコと菜々子ーー

https://x.com/pochidayo

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ナナコとモウブはチヒロの自宅でタブレットの使い方の説明を受けていた。


「モウブくんには、ハル主任の工房で使うときに便利な機能を教えるね」


チヒロはモウブのタブレットを覗きながら説明する。


「まず単純に、これがメモの機能。」


「それから、集計するときに便利な表計算の機能」


画面を切り替えながら説明していく。


「資料や機械の写真を撮るときに必要なカメラの機能もあるわ。」


「あと、図面を送ったり、図面をもらったりする機能。」


「それで、もらった図面を書き換えることもできる。」


「一から図面を描くこともできるわよ」


「その時にはペンを使うといいわ」


「へえー……」


モウブは無邪気な表情で興味深そうに画面を覗き込んだ。


「そうそう。それから明日、ハル主任の工房に行ったら、ハル主任ともさっきのところで連絡先を交換しておくといいわ」


「はい、分かりました」


モウブはタブレットを見ながら頷いた。



「大体の準備ができたわね」


「二人とも、使い方が分からなかったら、私にさっき交換した連絡先からメッセージを送ってね」


「はい」


「はい」


ナナコは返事をしながら、自分のタブレットを眺めていた。


「……」


「ナナコちゃん何見てるんですか?」


モウブが画面を覗き込む。


そこには、


『♪エブリデイ♪ヤングライフ♪ジュネス♪』


と歌いながら踊っている少女の姿が映っていた。


「……え?」


モウブが驚く。


チヒロも画面を覗き込み、目を丸くした。

挿絵(By みてみん)

「これって……ナナコちゃん?」


「なんか、この子も菜々子って名前なんだって」


ナナコは画面の少女を見つめる。


「ていうか、見た目は完全にナナコちゃんよね」


「……似てると言うか全く一緒ですね…声も…」


モウブもまじまじと画面を見る。


「えっ、どういうこと?」


ナナコが戸惑う。


「でも、これって……ちょっと見せて」


チヒロがナナコの隣に座り、タブレットを受け取った。


「……本当に、ナナコちゃんじゃないのよね?」


三人は、画面の中で楽しそうに歌い踊る少女を見つめた。


「あ……」


チヒロが画面を確認する。


「これ、三百五十年前の映像ってなってるわ」


「えっ?」


モウブが身を乗り出した。


「三百五十年前……?」


三人は、言葉なく画面の中で歌いながら踊る少女を見つめていた。


ナナコの頭が、こくり、こくりと船をこぎ始める。


「あ、ナナコちゃん、眠くなっちゃったのかな。今日は色々あったしね」


チヒロはそう言いながら、時計を見た。


そして、その瞬間、青ざめる。



やべえ。もうNOAHの門限!!

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