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木星の雨音  作者: ぴいちゃん


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86/101

第86章ーー記録用端末は小鳥たちの夢を見るか?ーー

めっちゃいいお話になっています。

使いまわしの画像も多いです。


https://x.com/pochidayo

更新時には更新情報流しています!

よかったらフォローいただければフォロバします。


さぎりとミオ、そしてユノは、三人の家へ戻った。


リビングのソファーに、さぎりとミオが並んで腰を下ろす。


ミオが尋ねた。


「何か飲む?」


「うん。お酒」


「いや、あるわけないでしょ」


「んー……あ、お茶がいいな。緑茶、あったっけ?」


「うん、あるよ」


「じゃあ、お茶入れるね」


「ありがとう。」


ミオがお茶を淹れ、二人はそれぞれ湯飲みを手に取った。


湯気の立つ緑茶を、ゆっくりと口に運ぶ。


しばらくして、ユノがふと思い出したように言った。


「あ、そうだ。ミオさんの胸ポケットに入っているもの、くださいな」


「これ?」


ミオが胸ポケットに手を入れる。


取り出したのは、今日、モウブが作ってくれたユノ用の小さな浴衣だった。


「あれ? これいつの間に……。もしかして、パク――」


「いえ、違います」


ユノがすかさず否定する。


「あそこの浴衣は、すべて貸し出し用だそうです。」


「この小さな浴衣は、貸し出せる人がいないので、紫区画長さんがくれたんです」


「あ、そうだったんだ。疑ってごめんね」


「いいえ」


ユノは浴衣を嬉しそうに眺める。


「今日は、浴衣に花束に……そして、このブレスレット」


そう言って、ユノは自分の手首にあるブレスレットへ目を落とした。


「私は人から、形のあるプレゼントをもらうのは初めてでした」


少し間を置いて、ユノは三つの贈り物を順番に見つめる。


「それが、今日は三つも」


「えへへ」


ユノは嬉しそうに笑った。


その顔は、いつもより上機嫌だった。


「今日は、なんかすごかったね」


ミオが、しみじみと言った。


「大きなお風呂にも入ったし、きれいな浴衣も着たし。ビールも飲んだし、おそばも食べてお酒も飲んだし。結婚式までしちゃったし……」


挿絵(By みてみん)

挿絵(By みてみん)

挿絵(By みてみん)

挿絵(By みてみん)

挿絵(By みてみん)

挿絵(By みてみん)


ミオは今日一日の出来事を、指折り数えるように思い返していく。


「モウブが私の弟だって分かったし、こんな素敵な指輪も……」


挿絵(By みてみん)


そう言って、自分の指にはめられた指輪を嬉しそうに眺める。


挿絵(By みてみん)


「シノさんも、すごく祝ってくれたし。商店街の皆さんも、食堂の皆さんも……」


挿絵(By みてみん)

挿絵(By みてみん)

挿絵(By みてみん)


「列抜かしちゃったし、食事のおまけもあったよね」


挿絵(By みてみん)


さらに続ける。


「なんか、ヘスペリア-3の最高責任者とか、ノアの船長とかまで……」


挿絵(By みてみん)


今日出会った人たちの顔を思い浮かべる。


「一日で、こんなことが起こるなんて……」


ミオはそう言って、もう一度、自分の指輪を見つめた。


「なんか、まだ夢みたい」


ミオは、自分の指にはめられた指輪を眺めながら、ぽつりと言った。


「こんな良い二十歳の誕生日なんて、私は幸せ者だなあ」


その瞬間――


さぎりとユノの目が、同時に大きく見開かれた。


二人とも、完全に固まっている。


ユノは手にしていた浴衣を、ぽとりと落とした。


「……今、なんて?」


さぎりも、言葉が出ない。


挿絵(By みてみん)


ミオは二人の様子に気づかないまま、にこにこと続ける。


「いやあ、本当にいい20歳の誕生日だったなって」


「…………」


「…………」


さぎりとユノは、相変わらず固まったままだった。


「なんでそんな大事なこと言わないの!」


「言った」


「聞いてない」


「言ってた」


ユノは目を閉じ今日の記録を辿る。


「ミオさん、二十歳っていうことに関しては今日、二回言ってましたね…」


さぎりが、ユノの小さな肩をつまんで揺する。


「ユノ!なんで言わないのよ」


挿絵(By みてみん)


「だだだだだだって、私、そもそも中枢のデータベースにはつながってませんし

ましてやNOAHのデータベースなんかみえるわけありませんですしおすし。

個人の誕生日とかの情報はありません。

私が実際に見聞きしたもの以外の知らないものは分からないですうががががが」


「まあ、それはそうなんだけどさ」


「もうこれ以上ガクガクはやめてくださいー。私の回生球形サーボからー過充電されちゃいますうううう」


「……バッテリーが……ががが……」


「あ、ごめん。大丈夫?」


さぎりは手を離した。


ユノは少し間を置いてから、自分の状態を確認するように呟く。


「あはは。かろうじて大丈夫です。私は今日、電力をかなり消費したのと、びっくりな出来ごとが多かったので…思考回路はショート寸前で…先に休みます。」


「今日は完全休止モードで休みます。朝6時まで。」


ユノは笑顔でそう言うと、落とした浴衣を畳みなおし花束と一緒に大事そうに持って自分の部屋に向かった。


「おやすみなさい」


ミオが心配そうに見送る。


「うん。おやすみ、ユノ」



ほとんど使われることがないが、さぎりの家にはユノ用の部屋もある。


ドアは人間サイズなので、ユノはドアレバーまで手が届かない。


そこでユノがドアを開けるため


ニュートン力学をベースに人類の英知と経験を集合させ、宇宙物理学を応用し、


重力場制御と量子力学的干渉を組み合わせた


ドア開閉システムが搭載されている


暗い場所で光るアルミン酸ストロンチウムを使用した蓄光素材の端部が取り付けられ


そこから一メートル伸びた、耐荷重百キログラム級、低伸度・高耐久性を誇る多重編組型高強度化学繊維製牽引索が取り付けられている。


ドアレバーにはその「ひも」が縛ってある。


挿絵(By みてみん)


ひもを引っ張り、ユノが部屋に入る。


閉めるときには、体でドアを押す。


室内側のドアレバーにも同様のひもが縛ってあって、ひもを引っ張れば部屋から出られる仕組みである。


これを「超ひも理論」という。(嘘である。)



部屋に戻ったユノは、専用端末のベッドに横たわる。


枕元に、浴衣と花を置く。


そして左手を上げ、その左手に着けられたブレスレットを眺める。


「充電して……今日は記録が多かったから、アーカイブに送る」


「復帰は明日朝6時」


「さぎりさんミオさん今日はおめでとう。ありがとう。おやすみなさい」


完全休止モード。


ユノはシャットダウンされた。


あとは、アーカイブのユノがデータを拾って整理するだけである。


その処理が行われている間、まったく動作できない状態に陥るのである。


ユノの消費電力を示すベッドのインジケーターは0.00ワットと表示されている。



ユノは今、完全にシャットダウン状態である。


「うふふ。小鳥の柄の手縫いの浴衣。うふふ。うふふ」


「さぎりさんと……ミオさん……うふふ。小鳥の指輪。うふふ」


「2人とおそろいの私の小鳥の腕輪……うふふ。うふふ」


「花束……うふふ」


「ちゅんちゅん…」


「ちゅん…」



記録用端末は小鳥たちの夢を見るか?


明日こそドエロ回

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― 新着の感想 ―
思考回路はショート寸前ですしお寿司 うふふチュンチュンうふふチュンチュン うふふチュンチュン 良い夢を ベッドと繋る事に寄ってYUNO15はバックアップされている間、夢を見るのかも知れない?
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