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木星の雨音  作者: ぴいちゃん


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58/62

第58章ーー合流ーー

https://x.com/pochidayo

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ちょうどその時だった。


管理棟の自動ドアが静かに開く。


「おっ。」


聞き慣れた声が響く。


「ハルも来たかい。」


チズルが笑顔で手を上げながら歩いてくる。


その隣には、農業担当主任も並んでいた。

挿絵(By みてみん)

ハルも軽く手を上げる。


「よう。」


「思ったより早く終わったみたいだな。」


チズルが大きく伸びをした。


「さて。」


「せっかく紫区画まで来たんだ。」


「みんな、体を清めに行こうかね。」


「いいですね。」


区画長が笑顔でうなずく。


「せっかくですから、ご案内します。」


農業担当主任も笑った。


「うん、いいね。」


「今日は汗もかいたし。」


ハルもうなずく。


「ああ。」


「それがいい。」


さぎりとミオは顔を見合わせた。


「え?」


「体を清めるって……何?」


農業担当主任が笑いながら説明する。


「農業リングではね。」


「各区画ごとに、大きなお風呂が一つずつあるんだ。」


「仕事が終わると、みんなそこで汗を流して帰る。」


ミオは少し驚いたように目を丸くした。


「共同浴場なんですね。」


「そう。」


主任はうなずく。


「その中でも、この紫区画のお風呂は少し特別なんだよ。」


「聖なるお湯って呼ばれている。」


「聖なる……?」


さぎりが首をかしげる。


主任は思わず笑った。


「まあ、本当に神様がいるとか、そういう意味じゃないよ。」


「紫区画は一番衛生管理が厳しい場所だからね。」


区画長も笑顔で続ける。


「毎日、徹底した検査と管理を行っています。」


「使う水も設備も、ヘスペリア3内で最高水準の清潔さを保っています。」


「だから昔から。」


「『ヘスペリア3で一番きれいなお風呂』」


「そんな意味を込めて、誰かが"聖なるお湯"って呼び始めたんです。」


チズルが笑う。


「まあ、年に一回ここへ来る楽しみの一つだね。」


ハルも苦笑した。


「俺も今日は、そのために遅れて来たようなもんだ。」


「ええっ!?」


さぎりは思わず吹き出す。


「ハル主任まで?」


「そりゃ入るさ。」


「ここまで来て入らない方がもったいない。」


その言葉に、一同は笑い声を上げた。


「それでは参りましょう。」

挿絵(By みてみん)

紫区画長が笑顔で先頭に立つ。

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