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平和国家ユートリア ―人類の終着点―  作者: Kk


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第七十九話 暴かれる

◆アルマ


ヴィクトールが。


言葉を詰まらせる。


「私は……」


「そのようなことは……」


だが。


ルミナスが顔を近づける。


「あなた」


「他に居場所がないのでしょう?」


静寂。


ルミナスが続ける。


「“世界最強”であるが故に感じる」


「孤独」


「それを感じないために」


「あなたは戦場へ身を置く」


「弱い味方を周囲へ集め」


「守り」


「尊敬を得て」


「愉悦に浸る居場所を作る」


「きっとご家族とも」


「うまくいかなかったのでしょう」


ヴィクトールが叫ぶ。


「違う!!!!」


白い空間へ怒声が響く。


「そんな居場所を作る気などない!!」


ヴィクトールが否定する。


だが。


「じゃあなぜ」


「わざと自分の強さを隠すのですか?」


……え?


“世界最強”が……


力を隠してる?


「……何を言っている」


ヴィクトールが驚く。


「あなたは」


「本当は一人で」


「世界を終わらせられるのに」


「それをしない」


「何を……言っている」


ヴィクトールがうろたえる。


すると。


ルミナスが。


ゆっくりこちらを向いた。


「では」


「皆さんへ聞きましょう」


アルマたちが固まる。


ルミナスは静かに問う。


「ヴィクトールは本当はもっと強いと言われて」


「なにか心当たりはありませんか?」


沈黙。


全員。


言葉を失う。


それは……。


何度も思った。


全ての戦争で。


アルマは思い出す。


“トリプレッツの大侵攻”


あのとき。


自分が不注意で。


能力発動を遅らせた瞬間。


ヴィクトール様は。


平然と攻撃を避けていた。


そもそも。


ヴィクトール様が追い詰められた姿など。


一度も見たことがない。


全員が。


下を向く。


ヴィクトールが呟く。


「そんな……」


傷ついていた。


明らかに。


ルミナスが静かに告げる。


「あなたは」


「一人なら犠牲なしで勝てる戦場に」


「仲間を連れていき」


「居場所が欲しいという」


「自分勝手な欲のために」


「多くの命を死なせた」


ヴィクトールの顔が歪む。


泣きそうだった。


アルマは。


ヴィクトールを見れなかった。


あれほど。


気高かった“世界最強”が。


今は。


ただの。


傷ついた少女に見える。


そのとき。


ルミナスが微笑んだ。


「でも大丈夫」


「あなたへ助言しましょう」


ヴィクトールが顔を上げる。


ルミナスが言った。


「あなたは」


「他の欲を知らないだけです」


ヴィクトールが困惑する。


「他の……欲?」


ルミナスは両手を広げた。


そして。


断言する。


「性欲です!!」


次の瞬間。


信徒たちが。


突然服を脱ぎ始めた。


兵士たちが凍る。


そして。


複数の男女が縋り始める。


互いへ。


白い空間が。


異様な熱気へ包まれていった。

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