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平和国家ユートリア ―人類の終着点―  作者: Kk


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第七十四話 削られる

◆アルマ


動物の群れを撃退しながら。


変化した人間を探す。


見つけた瞬間。


殺す。


一つでも判断を間違えれば。


その瞬間。


こちらが死ぬ。


とてつもない集中力。


精神が削られる。


だが。


遂に。


「『放電現象』」


最後の動物たちが。


一斉に崩れ落ちる。


終わった。


参謀が息を吐く。


「……ふぅ」


「ようやく……」


その瞬間。


――シュルシュルシュル。


異音。


全員が顔を上げる。


巨大な蛇。


異常な長さ。


そのまま。


上空へ体を伸ばし。


倒れてくる。


ヴィクトールが怒鳴った。


「かわせぇぇぇぇ!!!!」


全員が左右へ飛ぶ。


アルマは。


ヴィクトールと逆方向へ転がった。


その瞬間。


――ドゴォォン!!!!


建物。


周囲の建造物が。


一斉に倒壊し。


こちらへ倒れてくる。


考える暇を。


一切与えない。


なんなんだ……!!


アルマが叫ぶ。


「近くへ!!!」


兵士たちが集まる。


アルマが能力を発動した。


「『最高防御』!!」


結界を張る。


崩れ落ちる建物が。


結界へ激突する。


轟音。


だが。


防いだ。


アルマが息を吐く。


「はぁ……」


結界を解除する。


蛇を見る。


すでに他兵士たちが。


剣で刺し殺していた。


とりあえず。


助かった……


その瞬間。


参謀が絶叫した。


「アルマ!!!」


「離れろぉぉぉ!!!!」


背中を突き飛ばされる。


直後。


黒球。


アルマのいた場所。


空間が削り取られる。


アルマの顔が凍る。


なんで……


崩れ落ちた建物の中に……


敵がいるんだよ。


まさか。


最初から。


信徒が潜んでいたのか。


瓦礫に潰され。


瀕死になりながら。


最後に本を開いたのだ。


アルマが叫ぶ。


「嘘だろ!!!!」


「おい!!!!!」


だが。


そこにはもう。


誰もいなかった。


参謀の姿は。


完全に消えていた。


分断された部隊と合流する。


アルマは。


ヴィクトールへ報告した。


参謀の死を。


ヴィクトールは。


少しだけ下を向く。


「……そうか」


兵士たちも。


黙り込む。


油断した訳ではない。


だが。


それ以上に。


相手が異常だった。


得体が知れない。


常識が通じない。


本当の怪物。


それだけは。


全員理解していた。


だが。


参謀を弔う暇すらない。


ヴィクトールが前を見る。


そして。


静かに言った。


「進むしかない」


軍勢が再び動き出す。


気付けば。


軍の四分の一が。


すでに消えていた。

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