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平和国家ユートリア ―人類の終着点―  作者: Kk


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第七十一話 分割する

◆レイナ


突如、骸骨兵が消えた。


静寂。


さっきまで。


世界を埋めていた黒が。


跡形もなく。


消失している。


何が起こったの……?


すると。


ルークが平然と言った。


「だから言ったでしょう」


「もう充分だと」


レイナが固まる。


こいつ。


すでに何か仕込んでいた?


じゃあ。


さっきの言葉。


「疲れたでしょう?」


……あれは。


優しさじゃない。


レイナは少しイラついた。


ノルンが頭を掻く。


「恥ずかしいねぇ」


珍しく。


激情したことを。


少し照れているようだった。


ドルガがため息を吐く。


「先に言えよ……」


シェラも呆れる。


「ほんとよ……」


レイヴンだけは笑っていた。


「がっはっは!!」


「よく分かんねぇが終わったのか!?」


全員がルークを見る。


そして。


ルークはいつも通り答えた。


「はい」


「トリプレッツの三つ子は」


「全員殺しました」


沈黙。


あの厄災を。


終わらせた。


やっぱり。


この男が一番危険だ。






◆グレン


突如。


戦争は終わった。


俺たちは。


帰路についていた。


結局。


ヴァルディアに助けられた。


あのままだったら。


全員死んでいた。


そのとき。


後ろから声がする。


「お疲れさん」


アルドだった。


援軍として来ていたらしい。


セラが苦笑する。


「あなたの方がお疲れでしょ」


当然だ。


こいつは。


国を失った。


なのに。


今は統治まで押し付けられている。


だが、アルドは穏やかだった。


「お前たちも仲間になったんだ」


「一緒に統治を手伝ってくれよ」


グレンは少し黙る。


そして聞いた。


「……なあ、おっさん」


アルドが笑う。


「なんだ?」


グレンは前を見たまま言う。


「ヴァルディア帝国って」


「これからどうなると思う?」


アルドは少し考えた。


そして。


優しく答える。


「いい国になるさ」


「“大英雄レオナール”は」


「確かに凄い」


「だが」


アルドは続けた。


「民が彼を選んだんだ」


「民の声が通る国は」


「いい国になる」


静かな声。


だが。


不思議と説得力があった。


セラが少しだけ口を尖らせる。


「なんだか」


「合理的じゃないわね」


「……でも」


「嫌いじゃないかも」






◆アルマ


戦争が終わり。


我々は、王の間へ戻っていた。


第二陣。


あれが現れた瞬間。


正直。


全てを諦めかけた。


だが。


“トリプレッツの大侵攻”を止めたのは。


“平和国家ユートリア”。


今回は。


認めなければならない。


あの男の功績を。


兵士が報告を読み上げる。


「ユートリア王ルークより」


「トリプレッツの部屋の領土について」


「分割要求が届いております」


空気が静まる。


兵士が続ける。


「北部をバルゼイン王国」


「南部をヴァルディア帝国」


「全体の半分、中央部をユートリア」


「以上」


普通だった。


むしろ。


かなり穏当。


王が少し考える。


そして。


頷いた。


「それでよい」


誰も反対しない。


こうして。


“トリプレッツの部屋”は。


消滅した。

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