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平和国家ユートリア ―人類の終着点―  作者: Kk


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第六十五話 恋する

◆イリス


ノクシアが加わった。


旧グランゼル領へ。


兵を分散させなかったおかげで。


戦力は十分。


さらに。


“トリプレッツの大侵攻”


あの厄災すら。


味方している。


イリスは笑う。


「レオナール様!!」


「最高ですね!!」


レオナールも豪快に笑った。


「はっはっは!!」


「ルークの顔が見たいわ!!」


そのとき。


伝令が駆け込んでくる。


「報告します!!」


「バルゼイン軍の多くが東へ移動!!」


「“トリプレッツの大侵攻”への対応に追われています!!」


さらに。


「“バルゼインの放電現象”がルミナス教国から撤退!!」


「東部へ向かいました!!」


“バルゼインの放電現象”がこちら側の戦場から消えた。


追い風が。


レオナール様へ。


流れてきている。


レオナールが剣を掲げた。


「止まるな!!」


「バルゼインを潰せぇぇぇぇ!!!!」


「おおおおおおお!!!!」


士気が爆発する。


もう。


誰にも止められない勢いだった。






◆レイナ


ユートリア東部。


目の前に広がる。


骸骨兵。


地平線の端から端まで。


真っ黒。


埋め尽くされている。


「こんなの……」


シェラが固まる。


当然だった。


数が。


狂っている。


だが。


「面白れぇ……!!」


レイヴンだけは笑っていた。


「今までで一番ぞくぞくするぜぇ!!」


完全に戦闘狂だった。


ノルンが静かに呟く。


「放置してきたツケが回ってきたねぇ」


ツケ。


レイナは思う。


なぜ。


ここまで放置されたのか。


すると。


ルークが冷たく答えた。


「皆」


「目の前のことで精一杯なのです」


「嫌なことから目を背ける」


「それが人の性です」


冷たい声。


まるで。


見下しているようだった。


だが。


レイナは別の違和感を覚える。


どうして。


今なの?


なぜ。


このタイミングで。


トリプレッツの部屋は動いた?






◆アン


恋!


恋!!


四十年間。


一度も持たなかった感情。


それが。


今。


私の中にある。


ルーク。


あぁ。


見つけてしまった。


私に仕えるに値する男を。


アンが叫ぶ。


くるくる回りながら。


「私は恋をしたの!!♡」


「ドゥー!!トロワ!!」


そこには。


ビーチパラソルの下で裸で寝そべる二人。


トロワ。


唯一。


完璧な美貌と体型を持つ女。


ドゥー。


醜く肥え太った男。


トロワが微笑む。


「それはとても素敵ねぇ」


ドゥーは鼻をほじりながら答えた。


「俺はどうでもいいわー」


興味なし。


だが。


トロワが聞く。


「でも」


「恋したなら、どうして侵攻を?」


そう。


今回の“トリプレッツの大侵攻”は。


アンが提案した。


アンは笑う。


「決まってるでしょ?」


「ルークが」


「私にふさわしいか確かめるためよ!!♡」


沈黙。


たったそれだけ。


それだけで。


世界を巻き込む。


常識など。


最初から存在しない。


トロワが楽しそうに笑う。


「期待したいわねぇ」


すると。


ドゥーが不機嫌そうに言った。


「ふさわしくなかったら」


「そいつのケツの穴にぶっ刺してやる」


股間に手を当てる。


最低だった。


「……それなら、他の国は関係ないんじゃない?」


ドゥーが聞く。


トロワが答える。


「乙女心がわからないわねぇ」


「一つにだけ攻めたら」


「好きってバレちゃうじゃない」


アンは頬を赤らめる。


そして。


アンは笑う。


さぁ。


与えなさい。


ルーク。


最高の興奮を。

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