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平和国家ユートリア ―人類の終着点―  作者: Kk


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第五十八話 集まる

◆レイナ


ユートリアの要望は通った。


世界会議は。


ユートリアで開かれることになった。


私たちは、ルークが用意した会議場へ向かっていた。


移動中。


私はルークへ聞く。


「なんでわざわざユートリアでやるの?」


ルークは静かに答えた。


「これから来る者たちは」


「各国の重要人物です」


「見せておきましょう」


「ユートリアを」


レイナは理解する。


そういうことか。


見せるのだ。


この国を。


この平和を。


そして、揺さぶる。


シェラが少し嫌そうに言った。


「……私たちも同席するの?」


レイナは気づく。


そうか。


彼女たちは。


バルゼインを裏切った。


会いたくないのも当然だった。


だが。


ルークは笑顔で答える。


「はい」


「ぜひ同席してください」


「とても楽しいですよ」


シェラが露骨に嫌そうな顔をする。


少しだけ。


空気が軽くなった。


そのとき。


全員が足を止める。


目の前。


巨大な建造物。


屋敷どころではない。


一つの城のようだった。


「……でか」


レイナが思わず呟く。


一体。


いつから準備していた?


まさか、こうなることを読んで?


レイナは寒気を覚える。


ルークの恐ろしさを。


改めて感じた。


ルークが静かに扉へ手を向ける。


「さて」


「中で待ちましょう」


イヤリングの赤い宝石は、不気味に輝いていた。






◆アルマ


バルゼイン王国が、最初に到着した。


ここが。


ユートリア。


王が会議場所を譲るなど。


予想外だった。


すると。


ヴィクトール様が静かに言う。


「王が譲ったのは」


「よく見ておけということだ」


「それほどまでに」


「この国は危険だ」


兵士たちも周囲を見る。


無数のルーク。


それなのに。


民たちは穏やかだった。


争いがない。


恐怖がない。


平和。


だが。


我々バルゼイン兵を見ても。


誰も警戒しない。


これが。


感情低下。


アルマは小さく呟く。


「……不気味ですね」


ヴィクトールは答える。


「あぁ」


「だが、平和は実現している」


アルマは一瞬驚く。


ヴィクトール様……?


だが。


次の言葉で安心した。


「こんな平和に意味があるとは思わんがな」


やはり。


ヴィクトール様は。


ヴィクトール様だった。


そして。


我々は巨大施設の前へ立つ。


「これは……」


「すごい……」


思わず声が漏れる。


ヴィクトールが小さく笑う。


「ふん」


「一体いつからこうなることを読んでいたんだ」


アルマはそこで気づく。


この感じ。


どこかで。


……エヴァルト。


あの天才と似ている。


すると。


ヴィクトールが笑った。


「ふっ」


「まだ天才がいるではないか」


その笑みは。


どこか楽しそうだった。


そのとき。


扉が開く。


「こちらへどうぞ」


ルークだった。


我々は中へ入る。


そこには。


巨大な大会議場が広がっていた。


そして。


すでに。


ルークだけが静かに座っていた。


後ろにはルーク陣営が立っている。


ドルガ、シェラ…


この裏切り者共が!!


二人は気まずそうに下を向いている。


その瞬間。


ヴィクトールが止まった。


空気が変わる。


アルマが戸惑う。


「ヴィクトール様……?」


ヴィクトールは。


即座に前へ進む。


空気が張り詰める。


ドルガとシェラも構える。


しかし、ヴィクトールは二人を見ようともせず。


ノルンの前に行き。


片膝をついた。


「おばあさま」


「まさか、ご存命とは……」


アルマたちが固まる。


おばあさま?


あの女が?


だが。


ノルンは冷たく答えた。


「おや」


「あたしに孫なんていないよ」


今度は。


ルーク陣営側まで驚いていた。


ヴィクトールは少しだけ目を閉じ。


そして。


静かに言う。


「……そうですか」


「失礼しました」


そのまま。


戻っていく。


アルマは混乱していた。


この二人に。


一体何があったのか。


その疑問だけが。


静かに残った。

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