第27節 マルボロ達の結婚、ワサビ公爵達の結婚 ~幸せな時はこの日で終わる~
マルボロとヴィルメリアの結婚式が執り行われた……。
リュカもレアナも王城から離れられないため、その結婚式に出席することも叶わなかった。
代わりに、大量のミーソ汁と納豆巻きを手配したのだが、どうもあの狸親父の方が上手だったらしい。
こちらが用意したミーソ汁の滝、納豆巻き乱舞の結婚式で、色々押し流すために。
リュカに対抗し、ワサビ公爵はミネストローネの河を作るという暴挙に出た。
さすがは狸親父だと、リュカは敗北を認めた。
なお、ヴィルメリアは伝説のミネストローネが河に使われて、結婚式から三日三晩泣き叫び、それをなだめるためにマルボロはずっと徹夜だったらしい。
『よかったなマルボロ、初夜を迎えられなくて!俺とお揃いだ!』とリュカはほくそ笑んだのだった。
レアナ「ねえ、散々引っかき回した狸親父に、そろそろ仕返しをする時期じゃない?」
リュカ「そうだな、今や公爵位を守るために、学園長の仕事も真面目になってるというから、学園を潰すか!」
レアナ「それはやめて!教育は国家の礎よ!」
リュカ「冗談冗談!滝に河と来たら、次は海だろう?狸親父とハラヘリスの結婚式では、海を『麺大連邦』の各種スープで染め上げてやろうではないか!おでん汁も追加してやろうか!ふぁーはっはっは!」
マルボロ「やめてください陛下、義母上の記念すべき結婚式なのです」
マルボロは口を挟む。
レアナ「さすがに冗談よ?」
マルボロ「いえ、麺大連邦とオデン子爵のお力だけでは、我が領海を満たすことはできません!ハラヘリス義母上のために、国の全土から名産物を集めましょう!」
リュカ「おいやめろ、食べ物で遊ぶんじゃない!」
レアナ「よくいうわ、ミーソ汁と納豆巻きの手配をしたのは、どこの誰よ……」
リュカ「まあ、内々に済ませたいという結婚式だからな、俺たちの式の象徴だった納豆巻きとミーソ汁を、常識的な範囲で贈っておこう」
そんなこんなで、平和裏にひっそり行われたワサビ公爵とハラヘリスの結婚式は、いたくワサビ公爵を不満にさせたらしい。
リュカの兄であり、ハラヘリスの義父であるロランティーナも結婚式に出席したのだが、ワサビ公爵には相当鬱憤が溜まっていたらしい。
ワサビ公爵のふくれっ面と、ハラヘリスがなだめる姿を、ロランティーナは謁見の間で面白おかしく語っていた。
なんでも……『納豆巻きもミーソ汁もうちの名産であり、それを贈られても困る』だそうだ。
レアナ「まさか、なにもしないのが最大の報復になるなんてね」
リュカ「もしかして狸親父って『構ってちゃん』なのか?」
レアナ「公爵になるときからの騒ぎの一連……明らかに『構ってちゃん』でしょ」
リュカ「じゃあ、これからは放置プレイを使って、ワサビ公爵を操るかぁ!」
レアナ「それもいいわね、ふふふ」
そして、リュカとレアナの間に、しばし沈黙が訪れる。
リュカ「なあ、レアナ」
レアナ「なぁに?どうしたの?」
リュカ「レアナに言うことじゃないのかもしれないけど……」
レアナ「なによ、ハッキリ言いなさい!言わないと怒るわよ?」
リュカ「……チカがどうなっているか、そろそろ調べに行きたいんだ。いいか?」
レアナ「やっと決心したわね。行ってらっしゃい」
リュカ「いいのか?」
リュカは驚きのあまり、目を見開いている。
レアナ「さすがに察するわよ。言ったでしょ、あの子は私たちの娘みたいな存在!」
リュカ「……すまん」
レアナ「とはいえ、今日はそういう時間もないわね……明日から向かってくれる?」
リュカ「ああ、ワサビ公爵とハラヘリスの挨拶が、これからあるからな……」
そうして、その晩に……リュカとレアナは、初夜を迎えたのだった。
この節で第三章完結です。
ここからは、結構キツい展開が続くので、苦手な方はここで「完結」と捉えてください。




