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Heartbeat Reject 〜選ばれなかった僕は――それでも『彼女』を守りたかった〜  作者: もりゃき.xyz
第三章 内政チートの時間:マルボロとヴィルメリアの結婚
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第24節 最大の被害者ヴィルメリア ~狸親父のせいで変な話に~

 マルボロは嬉々として、宰相の仕事をしているカレー公爵を訪れた。


マルボロ「私は廃嫡される予定なので、その時は養子にしてください!」


 カレー公爵は椅子から転げ落ちそうになる。


カレー公爵「いやいや、何を言っているのだ?ワサビ公爵家の嫡男が廃嫡されるなどと」

マルボロ「ご安心ください!これから実家で横領をして見せます!」

カレー公爵「笑顔で堂々とした犯罪宣言だなぁ……しかし私としては、その話を受けるわけには、いかないな」

マルボロ「なぜです⁉」

カレー公爵「第一に、犯罪者を養子にするなど言語道断。第二に、既に後継がいる、遠縁の親戚に話を通しておる」

マルボロ「……わかりました。不祥事に見せかけて失脚し、カレー公爵が救うというシナリオはいかがですか?もちろん爵位は要りません」

カレー公爵「いや、やめてくれ……ワサビ公爵の私怨だけは買いたくない……」


 そこに、学園から『王家の要請』という話でヴィルメリアが急遽呼ばれた。


ヴィルメリア「マルボロ様?これは一体どういうことですか?」

マルボロ「ヴィルメリア⁉いやその、このままでは私たちの婚姻が……」

ヴィルメリア「だからと言って、関係ないカレー公爵を巻き込まないでくださいませ!」


 カレー公爵は『うんうん』と言わんばかりに頷く。


マルボロ「関係ないことはありませんよヴィルメリア、カレー公爵は宰相、私は宰相補佐、ほらね」

ヴィルメリア「そ・れ・は!ただの職務上の関係でしょう!」

カレー公爵「マルボロ、あまり婚約者を困らせてはならないよ?」

マルボロ「しかし!このままでは、一体どうしたら……」

ヴィルメリア「仕方がありません。私がワサビ公爵に嫁ぐことに致しましょう」

マルボロ「はぁ⁉いや、それは一体どういう理屈だ!」

ヴィルメリア「そうして息子であるマルボロを父の養子に出します」

マルボロ「いや、私はヴィルメリアしか考えられない……」

ヴィルメリア「私は白い結婚を貫きましょう。そうして、マルボロの従妹様……あの王宮舞踏会でファーストダンスを奪った、あの憎き女を養子に取りましょう!」


 マルボロは冗談だとは思ったが、ヴィルメリアの瞳は笑っていなかった。


マルボロ「いやいや、やめてくれないか⁉ってか、従妹に嫉妬は可愛いけど、そこまで憎んでたの⁉」

ヴィルメリア「私は少しずつ――ここでは口に出せない方法で、ワサビ公爵の力を削ぎましょう」

マルボロ「毒殺⁉毒殺だよな⁉」

ヴィルメリア「そうして、マルボロ様の従妹にワサビ公爵家を押しつけて、二人でミネストローネ侯爵邸で過ごしましょうね?」

マルボロ「まだミネストローネ侯爵もご夫人も存命だぁぁぁ!なんで二人になってるの」

ヴィルメリア「ほら、そこはワサビ公爵を愛するあまり――とか」

マルボロ「いやいや⁉それ無理がありすぎます!」

ヴィルメリア「――こういうシナリオにしないよう、ちゃんと父の手綱は握っておきなさい!」

マルボロ「イエス!ユアハイネス!」


 カレー公爵も『さすがは軍事の名門ミネストローネ侯爵の娘だ』などと唖然としていた。


 とぼとぼとリュカとレアナの元に戻るマルボロを見て、ヴィルメリアは独り言をつぶやく。


ヴィルメリア「マルボロ様、ここが正念場です。私だってワサビ公爵との婚姻など御免ですわ――見せてくださいまし、あなたの真の実力を」


 日が傾き、夕日が差し込む部屋で、ヴィルメリアは微笑むのだった。


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