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Heartbeat Reject 〜選ばれなかった僕は――それでも『彼女』を守りたかった〜  作者: もりゃき.xyz
第三章 内政チートの時間:ワサビ伯爵の陞爵
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第21節 狸親父の策略、カレー侯爵の陥落 ~今回の敵はカレー侯爵~

 リュカとレアナはげんなりしていた。


ロランティーナ「すしねこ帝国化は間違いなくブラフね。これが通れば、逆にワサビ公爵の権勢も高まる、他の提案との整合性が取れないわ……っていうか、カレー侯爵の陞爵(しょうしゃく――爵位が上がること、ここではカレー侯爵がカレー公爵になることを意味する)って何よ?」

カレー侯爵「私の陞爵はブラフというか、冗談でしょうな」

ロランティーナ「まったく何を言ってるのよ、カレー侯爵!私には、これこそが大本命に見えるわよ?」

リュカ「確かにな、これならワサビ公爵も派閥を割る必要がない」

レアナ「なんだか、カレー侯爵の陞爵か、ヴァルミエ公爵の陞爵と派閥割りか――そういうことを迫られているように見えてきたわ」

カレー侯爵「いやいやレアナ陛下、私の陞爵としても……派閥割りは必要ではないですかな?」

レアナ「なんでかしら?」

カレー侯爵「本来のワサビ公爵の目的は、自身の弱体化です。派閥で私とワサビ公爵が同列であればどうですか?ワサビ公爵の目的である、自身の弱体化が達成されません」


 と言いながら、カレー侯爵はまたもため息をつく。


リュカ「それもそうか……話が整理されてきたな。派閥を割るのは、おそらくワサビ公爵の中で決定事項、その盤面を整えるために、ロランティーナかカレー侯爵を陞爵させろ、そういう話か」

レアナ「どちらにも応じなかったら?」

ロランティーナ「新王宮派が、より不利な盤面になるでしょうね……その絵はうまく描けないけれど。そうして、カレー侯爵にそういう打診があるならば、私よりカレー侯爵の陞爵の方がいいでしょうね」

リュカ「どうしてだ?……それって、オリビアが大神官という前提からだよな?だけど、理屈がよくわからない」

ロランティーナ「派閥が『新王宮派と新神殿派』に割れるのと『王族派と大神官派』に割れるの、どちらがダメージ少ないかしら?」


 リュカもレアナもため息をつく。


リュカ「ダメージコントロールとしては、『王族派と大神官派』がいいな。裏で俺とロランティーナは結びついている、当然オリビアとも……」

レアナ「……決まりね、あの狸親父の策略に乗るのは腹が立つけど、カレー侯爵、陞爵を受けてもらうわよ?」

リュカ「カレー侯爵の陞爵はいいけど、名目はどうするんだ、レアナ」

レアナ「グラタンディア王国時代の宰相代理、すしねこ王国での宰相としての働き……でどうかしら?」

リュカ「そうだな、街道整備に財政出動、上下水道網整備、公衆浴場整備……この辺りの功績はカレー侯爵のものだ」


 しかし、この言葉にカレー侯爵は珍しく強く反発する。


カレー侯爵「なりません!それは両陛下の功績として、歴史に記されるべき事柄ですぞ!」

リュカ「発案が俺たち、実現がカレー侯爵、これでどうだ?」

レアナ「ちゃんと議会を回してくれたから、嘘じゃないわよね」

カレー侯爵「……わかりました、承りましょう。ただし、歴史書編纂についてだけは……私の証言を基にすると、お約束ください!」

ロランティーナ「私が歴史書編纂室室長になろうかしら?」

カレー侯爵「勘弁してくださいよ、それって絶対に私が口出しできないじゃないですか……」


 そうして、改めて円卓会議が開かれた。


リュカ「さて、皆よく集まってくれた。今回は、カレー侯爵の公爵への陞爵が議題だ」

レアナ「カレー侯爵との合意は取れておりますので、反対意見のある方は挙手をお願いします」


 サラッとレアナは、カレー侯爵の発言を封じる。


 ねこ貴族の一部が挙手をしてきた。


ねこ貴族A「反対という訳ではございませんが……先日、カレー侯爵は陞爵を拒んでいたと記憶しております」

リュカ「それについては合意が取れている、やはり公爵位の方が適切だとな」

カレー侯爵「な……話が違いますぞ!」

レアナ「カレー侯爵、ご静粛に!」


ねこ貴族B「反対という訳ではございませんが……陞爵の理由は何でしょうか?」

リュカ「街道整備に財政出動、上下水道網整備、公衆浴場整備……これでは足りないかな」


 などなど「反対という訳ではございませんが……」を枕詞にして、ねこ貴族達が色々と確認をしてくる。


レアナ「それでは、決を採ります。今回は賛成者の挙手が過半数である場合に陞爵とします」

リュカ「カレー侯爵は賛成だからな、もちろん俺たちも賛成だ。それを踏まえてくれ」


 そうして上がった手は軽く過半数を超えた。

 というか、あまりにも挙手が多かったので、後から挙手をしたねこ貴族も多く、挙手は最終的に満場一致となった。


リュカ「決まったな、これ以上なく鮮やかに」

レアナ「では……『命律端末、応じて』」

命律端末「はい、なんでしょうか?」

レアナ「国王代理として王妃が命じます、カレー侯爵はただ今をもって、カレー公爵に陞爵といたします」

命律端末「承認しました」


 その後、カレー侯爵改めカレー公爵は……三日間の休暇を申し出てきた。


レアナ「ねぇ、公爵への陞爵をこんなに拒まれる、すしねこ王国って……そんなにブラック王国かしら?」

リュカ「俺の前世での労働基準から見れば、ホワイト王国に決まってるだろ」

レアナ「そうよね……小児外科医とか、普通に三十時間連続勤務があったわよ」

リュカ「俺も、三十時間労働とかあったな……」


乞食のような真似はしたくないのですが、評価を付けるか迷ってる方は是非お願いします!

正直、★1(=2pt)でもいいので評価が欲しいとさえ思っています。

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