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第02節 各領からの応援 ~乙女レアナの苦悩と炭水化物祭り~

 ラーメン伯爵領とオデン子爵領は隣接している。

 ラーメン伯爵とオデン子爵が『善意の諜報戦』で手を結んだのも、そういう理由からだった。


 まずは、隣接するオデン子爵からの支援が「おでん屋台」として展開された。

 早速、リュカとレアナは、屋台でおでんを食べる。


レアナ「ふー、この味が染みたタマゴが良いわよね」

リュカ「おっちゃん!大根、タマゴ、しらたき、さつま揚げ、そしてつくねをくれ!」

屋台のおっちゃん「あいよ!」

レアナ「おっちゃん!私はごぼう巻き、昆布、あとこんにゃくね!」

屋台のおっちゃん「あいよ!しかしよく食べるなぁ……」

リュカ「美味しいからな!」

レアナ「美味しいんだけど……こんにゃくあと三つ!」

リュカ「突然どうしたんだ?」

レアナ「うん、最近ちょっと……体型が気になってね?」

リュカ「そうか?全然変わったようには見えないぞ」

レアナ「うん……だけどここ最近、炭水化物ばっかりじゃない?」

屋台のおっちゃん「今度、少し変わり種の、女性向け具材を入れようかと思ってるぞ?まあ、嬢ちゃんは気にすることないと思うがな?はっはっは!」


 しかし、レアナの表情はすぐれない。


レアナ「お気遣いありがとう。だけど毎日おでんって訳にもいかないじゃない?これからうどん、蕎麦に納豆巻きまで領に来るのよ?更に、私たちがしゃぶしゃぶの監修をしないと!」

リュカ「確かに……レアナは気にする程太ってないけど、炭水化物祭りだなこりゃ」

レアナ「低炭水化物ダイエットをするために、しゃぶしゃぶしか選択肢が無いってどういうこと⁉」


 そこで、ホログラムで登場したチカ……まだ幼女だ。


チカ「ノイズよ……しゃぶしゃぶのタレにだって、砂糖が入っているぞ」

レアナ「分かってるわよ!今は言わないで!」

リュカ「グリーンカレーは……」

チカ「兄くん、グリーンカレーはカレー侯爵領の名産品だよ。さすがに支援として、ラーメン伯爵領に伝えることはないだろうね」

レアナ「あー、せめて朝は緑黄色サラダにしたいわよ!」

リュカ「そうか!ドレッシングなら任せろ!」

レアナ「嫌よ⁉マヨラーの作ったドレッシングなんて、どうせマヨネーズベースでしょ⁉」


 しかし、ラーメン伯爵領への支援は次々とやってくる。

 その味の確認という名目で、リュカとレアナは食べることを避けられない。


リュカ「……レアナ、悪かった。冗談交じりに言った炭水化物祭りだったが、俺も洒落になってない!……なんか最近おなか周りが」

レアナ「でしょ⁉もう、私のバストは悲惨なことになってるのよ!実際に揉んでみてよ!」

リュカ「やめろレアナ!ウエストだって揉まないぞ!なんでよりによってバストなんだよ⁉」

レアナ「……止めましょ。っていうか、これじゃラーメン伯爵領の人たちも、栄養バランス取れないじゃない」

リュカ「どうしたもんか……ラーメン伯爵に相談してみるか」


 そうしてラーメン伯爵を訪ねたら……なんだかラーメン伯爵のお腹だけが、ぽっこり出ていた。


ラーメン伯爵「ああ、聖人様に聖女様ですか……私は今、過去の主張を心から悔いているのだ!太ることは、豊かさの証などではなかった!」

レアナ「そうでしょ⁉大切なのよ、栄養バランス!」

リュカ「でさ、ラーメン伯爵……野菜類のアテはないのか?」

ラーメン伯爵「そういえば、カレー侯爵領では緑黄色サラダが義務化されたんだったな、それも聖人様のお言葉で」

リュカ「あー、その辺の手配は……全部カレー侯爵がやっていたからなぁ。俺達は何も知らないんだよ」

レアナ「今は冬だから、カレー侯爵領まで行くのも辛いのよねぇ……」

ラーメン伯爵「おい、ヒヤムギ!ちょっと来てくれ!」


 外から足音が近づいてきて、扉を開けられた。

 おいおい、ノックくらいはしろヒヤムギ……本当に冷静さが行方不明だな。


ヒヤムギ騎士団長「はっ、お呼びでしょうか?」

ラーメン伯爵「カレー侯爵に救援要請だ!野菜を手に入れる伝手を聞いてきてほしい!」

ヒヤムギ騎士団長「それでしたら、私の故郷にも、ある程度の伝手がありますが……」

ラーメン伯爵「なんだと⁉なぜ、それをもっと早く言わない!」

ヒヤムギ騎士団長「そうは言われましても、野菜については聞かれませんでしたからね」

ラーメン伯爵「……そうか、私の不覚だったな、すまなかった。それでどのような伝手なのだ?」

ヒヤムギ騎士団長「故郷もラーメン伯爵領ですからね、野菜ラーメンを夢見て、マギ様にお伺いを立てて……」

ラーメン伯爵「なぜ、それを言わなかった⁉」

ヒヤムギ騎士団長「そうは言われましても、野菜ラーメンについては聞かれませんでしたからね」

ラーメン伯爵「知らない概念を聞けるか、馬鹿者ぉ!」


 そうして、野菜ラーメンの定番とも言える、最低限の具材を手に入れることに成功したのだが……。


レアナ「ねえ、野菜ラーメンは美味しいのよ?だけど豚骨野菜ラーメンって時点で、色々台無しじゃないかしら?」

リュカ「まあ、気の持ちようだこれは」

レアナ「あー、カレー侯爵領のサラダでいいから食べたーい!」


 さすがにヒヤムギ騎士団長はカレー侯爵領へ向かい、緑黄色野菜サラダがラーメン伯爵領でも義務化されたのだった。


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