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部屋

ニコルは暗闇の中にいた。彼女は頭の中で考えていた。自分はきっと警察に捕まってしまったと。その時に気絶して暗闇の中にいると思った。すると光が差してとても眩しくなった。目の前はユニコーンが描いてある少女の部屋のような壁紙だった。

「ここは…もしかして…」

いつも見慣れているような所だった。

「動けない。」

手足を縛られていた。

「誰か助けて!」

そう叫んでも何も反応がない。その状態で20分以上部屋にいた。しばらくするとドアが動いた。

「久しぶりね。会いたかった。」

そこにはヴィルジニーがいた。

「もう警察なんて恐れなくて良いの。」

「ヴィルジニー、これはどう言うことなの?」

「驚くのも無理はないわね。全てはニコルを守るためよ。」

動けないニコルを抱きしめた。

「何するの!ほどいて。」

「それは出来ない。あなたを守るためなのよ。考えて見て。逃げれるところなんてどこにもないでしょ?それなら大人しくこうした方が良いわ。好きなものをたくさんあげるから。」

たくさんのマカロンを食べさせた。

「少し席を外すわ。」

ヴィルジニーは部屋から出た。部屋は綺麗で幻想的なのに不気味だった。

「これは何?」

床の下には日記帳が置いてあった。手足が拘束されていて取ろうと思っても取れなかった。


「ジョルジュ、取り戻したわ。大事なニコルを。」

「良かった。本当に一生会えないと思ってた。」

2人は監視カメラを見ながら抱きしめ合った。

「縛ったままで良いのか?」

「いつまでもそうするわけには行かないわ。私と一緒にいることを受け入れればこんなことはしないわ。」

「そんなことしても追われてる身だ。逃げようとしても敵ばかりだ。こんなに安全に匿うことが出来るのは俺たちだけだ。限界と言うものを知れば逃げれない。」

「逃げたって最後はここに戻って行く。私達には絆があるから。」

監視カメラではニコルが暴れている様子がずっと映っていた。日記を取ろうと必死だった。

「そんなに私が書いた日記が気になるのね。私達のニコル…」

彼女はその様子を見て微笑んだ。


彼女は縛られて何もできずにいた。彼女の声を吸い込むほど部屋は静かだった。すると部屋にあったテレビが突然ついた。そこにはヴィルジニーが映っていた。彼女はわけが分からず彼女のことを見る。

「この映像を見える頃にはこんなふうに思ってるでしょうね。はやく日記帳のヒントを見てここを脱出したいって…突然こんな状況になったら無理もないわ。だけどあなたを悪いようには扱わないわ。」

ニコルが床に落ちてる日記帳を開く。

「娘が欲しかった。クレマンとセバスチャン、男の子しか産めなかった。本当は男の子なんていらない。しょうがなく育ててる。自分が産んだ子供は親としての役目を果たすしかない。次は女の子を産もうと思った。だけどもう子供が作れない身体になってしまった。現実は残酷だ。それなら合法的にさらってしまえば良い。養子縁組を考えていた時に道端に他にない女性がいた。」

「突然何?」

彼女はずっと画面を見る。

「彼女はニコルって言う女性。最お金や食べ物をあげるくらいで会話も全然出来なかった。黙っているだけ。そんな彼女が特別だと思った。どうにかして私の娘にしてみたいと思った。私がどうかしてるかなんてどうでも良い。」

彼女は次のページをめくる。

「彼女と初めて会話を交わした。ありがとう以外の言葉を初めて聞いた。天気の話や路上生活の話をした。寒さをしのぐのに誠意っばだった。そんな彼女に温かいスープと防寒具をあげるつもりだ。どれがニコルらしいものなのか考えていた。手に入らない光がやっと届きそうな気分だ。ニコル、もっと話したい。こっちに来て。花よりも、高級なワインよりも大切なプレゼント…」

さらにページをめくる。

「今日はニコルのために温かいスープを作った。この日が待ち遠しかった。いつものように同じ場所にいる。彼女はそれを手に取って喜んで食べた。私の作ったものを気に入ってくれた。彼女が最近食べたものを話してくれた。彼女が貰うのはどれもパンやクッキーやケーキばかりで温かいものとは中々出会えなかった。私のスープが彼女のことを温めた。でもどこかでまだ彼女と距離を感じる。こんなに近くにいるのにまだ距離があるような気がする。」

ページをめくった。

「少し寒さも緩和されようとした日にまた同じ場所に私の愛する娘がいた。少しだけ私に笑顔を見せた。彼女の心にようやく入ることが出来た感じだった。いつものように食べ物をあげた。そして私はあるお願いをした。それは一緒に写真を撮ることだ。彼女は私が次に甘いデザートを持って来る条件で引き受けてくれた。はじめて写真を撮る。2人の過ごした時間が1つの思い出になる。この写真は何枚も複製した。1つは私に、1つはニコルに、1つは旦那に、そして数枚を書斎の本の一つ一つに入れた。どの本を読んでもニコルと出会える。そして近くにある公園の木にも2人の写真を張った。世界がこの写真で埋まれば良いと思う。この写真は私達の原点。家族の原点。ニコルは私達夫婦を受け入れた。家族になるのを受け入れた。」

「何よそれ…そんな素振り見せなかったじゃない。」

またページをめくった。

「また同じところにいた。好きなことを聞いたらランニングだった。私ははじめてジョルジュを紹介してランニングをした。心地良い空気、温かい日差し、走る娘の横顔、全てが何一つ欠点がなかった。この上ない幸福感に包まれる時間だった。いつもの公園がまるで違う公園のようだった。ランニングを終えていつも通ってるカフェに彼女を連れたが店主に断られた。」

またページをめくった。

「彼女と会ってから2ヶ月が経った。この期間の間で彼女との関係は親密になった。今日は家に彼女を招待した。クレマンとセバスチャンには警戒されないように花壇の水やり係の面接だと嘘をついた。彼女をお風呂に入れた。悪い男に見られないように監視カメラで彼女が風呂に入ってる様子を見た。どんな瞬間も見逃すことなんて出来ない。でもまだ彼女に私達の目的がバレてはいけない。その後美容師を家に呼び彼女の髪を整えてもらった。あの時ののままでも美しいけど、今でも綺麗だ。彼女は好きなもの何でも食べた。一緒に過ごせるまであと少し…」

次のページに進む。

「私が聞いていないのに彼女から家族の話を聞いた。私にはニコルの母親が理解出来なかった。たくさん可愛がって大きくなったら自立と言う言葉で突き放す。こんな酷い母親がニコルの本物の母親なわけがない。私の方がずっと彼女の母親としての役目をしっかりと果たせる。きっとそうに違いない。こんな酷い仕打ちは私は死ぬまでするつもりはない。ニコルの母親として一生彼女を愛する。私がいなくなったとしても。」

「そんなのめちゃくちゃよ。」

「何回かわざとヴァカンスに連れて行かなかった。彼女がどれだけ私達のことを寂しがるか確かめたかった。だけど寂しがる様子はあまりなかった。監視カメラで男を家に連れてるのが許せなかった。私の許可なしであんなつまらない男と一緒にいるなんて親として許せなかった。」

「気持ちが悪い!やめろ!」

「長年の研究で開発した植物で本を作った。だけどこれだけじゃ意味がない。何としてもニコルが食べるようにしなきゃいけない。食べれる本を使ってニコルをコントロールしたい。本は甘い味がする。ニコルの食事にだけ人工甘味料をたくさんいれて、人工甘味料がたくさん入ったお菓子を毎日食べさせて甘い物中毒にした。ニコルは怖いもの見たさで本を食べるのは知ってる。わざと危険で気持ちが悪い本を扱うようなような素振りをして彼女の興味を引いた。他にもたくさん作戦はあったけど思ったより簡単に本を食べてくれた。もちろん私達がこの本の材料になる名前も分からない木のことは話してない。気味が悪くて本なんて見たくない演技をしたら本当に信じてくれたこんなに思い通りに行くなんて思ってもいなかった。」

「いったい何が目的なのよ!」

画面越しに映るヴィルジニーに向かって怒鳴った。

「ニコルに拒否されたくない。その気持ちはジョルジュも一緒だ。最近息子達がいらないと思う。ニコルだけがいれば良いのに。」

ひたすら彼女の日記を聞かされる。

「本の能力は制約が多くて融通が利かない。最終的には悪い方向に行くようになる。悪い方向に行けばニコルはどんどん社会から孤立して行く。そうなれば私達を頼らざるを得ない。警察から彼女を守れるのは私達しかいない。」

さらにページをめくった。

「まさかセバスチャンまで消すとは思ってもいなかった。でもこれで良かったんだ。クレマンは私達が誘拐犯に誘拐出来る本を食べさせて、誘拐を成功させた。セバスチャンもこの予定だったけど本の能力が思わぬ方向に行った。狂ってなんかいない。これは私達3人が幸せになる為の儀式なのだから。」

彼女は涙を流した。

「セバスチャン…私…何てことを…どうすれば…」

「この本には決まりがある。開発者はどんな手を使っても殺せない。もし殺せば全身に痛みを感じて悲惨な最期を迎えることになる。」

何ページも向かって延々と日記の内容を聞かれることになった。

「車の能力で無免許運転をするようになった。無免許運転で警察に追われるようになっから私達の出番だと思った。だけどどこかに行ってしまった。」

またページをめくった。

「ダミアンの所に行ってしまったみたい。あの男にニコルを匿う資格などない。可能なら殺すことだって出来る。本の能力は法律に触れることなんて出来ない。」

ページをめくった。

「ついに成功した。」

彼女は日記食べた。

「何これ…」

画面は砂嵐になった。部屋はニコルと呼ぶ色んな声が響いた。

「ニコル!」

「ニコル!」

「ニコル!」

「もうやめて!」

本を食べる人の映像がどんどん流れた。

「やめて!」

しばらくするとヴィルジニーが入って来た。

「どう?私の日記はどうだった?」

彼女は縄を解きながら言った。

「もう関わらないで。」

ニコルはヴィルジニーに本を投げつけた。そして部屋を急いで出た。

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