水遊び
満腹になった子供達を連れて、川へ向かった。
ギンの言っていた通り川から水を引き、ちょっとしたプールの様になっている。縦横10メートル位で深さは1メートル位だろうか、充分に泳げるサイズのプールだった。
「いつもはどうやって遊んでるの?」
「狼になって泳ぐよ、人型だと泳げないから。」
犬かきオンリーらしい。この世界にはクロールとか平泳ぎなんかは無いようだ。
美波は、先程新しい遊び道具に大喜びしていた子供達を思い出し、人型でも遊べるように浮き輪やビニールボートを作る事を思い付いた。
「お姉さんは人型でも遊べるオモチャを作ってみるから、皆は先に狼になって遊んでいてくれる?」
子供達は新しいオモチャと聞いて歓声を上げ、仲良く遊び始めた。
ハクも上手に犬かきしている。凄いぞ、狼。
「さて、集中して。まずは浮き輪かな。」
中に空気、ドーナツ型で水に強く破れない素材。
色はカラフルにして六人分、双子はほぼ同じサイズでピンクに白の水玉とグリーンに白の水玉にしてみた。ハクには小さめで、紫に白の水玉。ナギはちょっと大きめ、青に白の水玉だ。
後はゴムボート、これは二人一緒に乗れる位のサイズで二つ作った。色は白で、サイドに子狼のイラストを黒のシルエットで入れてみる。
底の部分はあえて透明に、水の中が見えて楽しいはずだ。
「よし、こんなもんかな。後は水着か、この能力って服もいけるんだろうか?とりあえず、自分で試してみよう。」
美波は自分の体を包むイメージで、水着作りに挑んだ。
シンプルにワンピースタイプ、水に濡れてもすぐに乾く素材、伸縮性有りで、色は紺をベースに白とグリーンで模様を入れて北欧っぽい感じに。
「出来た!良いんじゃないかな、大丈夫っぽい。」
能力で即席の更衣室を作り、着替えてみるとまずまずの出来だった。
「みんな!おいで~!」
子供達を集めて、水着について説明する。
男の子達はとりあえず人型に戻ってもらい、パンツだけ履いてもらって、先程の要領で水着を作っていく。形はシンプルな短パンタイプ、しっぽ穴付きだ。色は好みを聞いて双子は青、ナギは黒、ハクはグリーンになった。
更衣室で着替えさせて完成だ。
ナナ・マナは模様があった方が良いと言うので、ワンピース型でベースを紺にして、白で星柄を入れてみた。
可愛いけどちょっと大人っぽくて、ビスクドールみたいな二人にとても良く似合っている。
更衣室で着替えを手伝ってあげて、女の子も完成だ。
新しいオモチャの前で、うずうずしながらもお行儀良く待っていた男の子達と合流して、使い方を教える。
「じゃあ、みんなで遊ぼう!
足がつかない子も、浮き輪に掴まってれば大丈夫だからね。」
美波は一番小さいハクの手を引いて、プールへ向かった。
「浮き輪を胸の位置にして、掴まって足を動かしてごらん。
「こう?お姉ちゃん。わぁ、進んでるよ!
僕、泳いでるね!」
「上手だよ、ハク。ほら、みんなもやってごらん。」
他の子供達も初めはおっかなびっくりだったけれど、すぐに慣れて、バシャバシャと水しぶきを上げてはしゃいでいる。
慣れてきたら、双子とハクをボートに乗せて押してやる。ナギは足が付くので、二人で一つずつ押して小さな子達を遊ばせる。底を透明にして大正解だった、小魚が游ぐのを見て歓声を上げている。
美波はバタ足を教えたり、ナギに平泳ぎを教えつつ自分も泳いだりして午後の一時を過ごした。
「そろそろお昼寝しようか。」
ハイテンションで遊んで満足した子供達を陸に上げて、狼になってブルブルして水気を切っている間に、思い付いた特製クッションを作る事にする。
ビーズクッションのちょっと平らで大きいやつだ。
汚れが付かなくて水で洗い流せるカバーの中に、空気を包む極小の球体をとにかく沢山、これを三つ作った。色は水色、木陰に並べたクッションにナナ・マナ、カケル・ハヤテ、ハクとナギでお昼寝だ。美波はハクの横に座った。
「キャーッ、これ面白いね。体の形に沈むよ!」
「本当だ!凄いね!気持ちいいよ!」
子供達は大興奮ではしゃいでいたが、さんざん遊んだ疲れが出たのか、すぐに夢の中へ。
寝相の悪い子狼達だが、大きめに作ったきクッションはしっかり包み込んでいる。
何とも微笑ましい午後の一時である。




