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ダブルワールド  作者: 東城陽一
第一部 魔法編 1章:学園
5/60

5話:タイムリミット

 魔獣に勝利した星一が戻ってくる。


 「せっ、星一今のどうやったんだ?」

 フキとても気になる様子で声をかける。


 「あれは普通に睨んでだだけだよ」


 「それだけで魔獣があんなになるのか!?」


 「魔獣もバカじゃない、実力の差を理解すれば、白旗をあげることだってあるんじゃないのか」


 「修行すればフキにだってできることさ」


 フキは、星一の底知れない力を再確認させられ、改めて、自分は本当に魔術師という存在に出会ったんだと実感する。


 「ご、合格おめでとうございます!」


 受付嬢が激励してくれる。言葉が詰まっていたように見えたが、おそらく星一が合格するとは微塵も思っていなかったのだろう。


 「それではこれから、寮を案内します」


 フキと星一は言われるがままについていく。


 二人は寮を目の当たりにし、星一は心の底から驚いた表情で凝視していた。

  

 超高級マンションにも引けを取らない外観と、神秘的な雰囲気を醸し出している。


 「今日からここに住めるのか」


 星一は、あまりの豪華さに、目を丸くし、口を開けたまま固まっていた。


 「お二人のお部屋は201号室となっております。中にベットが二つございます。その上に制服の方を置かせていただいておりますので、サイズが合わなかったらお申し付けください」


 「わかりました!!」と二人は返事をし、部屋に入る。


 部屋は二人で過ごすには十分な広さであり、机や浴槽、あらゆるものは揃っていた。


 そして窓を開けると、そこには、海が一面に広がっていた。


 「部屋から海が見れるなんて最高だな!!」


 まるでリゾートに来たかのように、星一の気分は最高潮に上がっている。

 

 「楽しそうで何よりだよ」


 星一が一人で盛り上がっているのを見てフキもなんだか楽しくなる。


 「制服を着てみよう」


 二人は制服に着替えてみる。


 白のシャツに黒いズボン、2年生の特徴である青いローブをを羽織るこれが学園の制服である。


 「着心地もいいし、いい感じだな!」


 星一はサイズぴったりで着こなしている。


 「ちょっとズボンが大きいな」


フキはサイズが合っていなかった。


 「サイズの交換をしてくるよ」


 「おー、俺はこの部屋を一人で堪能してるよ!」


 星一はポケットから青い電話を取り出す。


 表面には3と書かれている。


 プルルル〜電話をかける星一は、相手が出るまで静かに待つ。

 

 ガチャ、音が鳴り、電話から声が聞こえる。


 「もしもし、こちら星一」


 相手は電話に出て、星一は色々近況報告をする。


 「ああ。今はそんなとこだ、引き続き頑張ってみるよ」


 「うん、そっちは頼むぜ、海里」


 ドアが開く音が鳴り、フキが新しいズボンを持って帰ってくる。

 「また進展があったら掛けるよ」


 星一は電話を切る。


 「今何してたんだ?」


 フキは星一の持ってる機械や話し声を不思議がる。


 「これは、電話っていって俺達のいるところでのいわゆる通信機だ」


 「俺がこっちにくる時に作って貰った特別制で魔力を媒介に動いている」


 「この2って数字はなんだ?」


 フキは興味津々になんでも聞いてくる。


 「これはあと電話を掛けれる回数だ」


 「この数字が0になった時は俺が帰る時だ。0になると俺の故郷にテレポートできるようになってる」


 フキは、星一の言葉を聞きながら、胸の中に暗い影が広がっていくのを感じた。いつか、自分だけが置いていかれるのではないか。そんな不安が、フキの心を締め付ける。


 「心配すんな! テレポートは使う気はねぇよ!」


 「それより、飯食って今日はもう寝よーぜ!」

 

 「そうだな! 食堂は寮を出て東の建物にあるらしいよ」


 この時間はまだ授業をやっているせいか、食堂にはフキと星一の二人だけだった。


 いわゆるビュッフェタイプの食堂であり、すごい数の品がゾロゾロと並ぶ。これが無料というのは流石に破格すぎる。


 フキと星一は数ヶ月魔獣を食べて凌いでいたため、食堂のご飯は信じられなく美味しく感じ、フキは、食材に深く感謝していた。


 「腹も膨れたしもう寝よーか」


 星一はそう言い、ベッドにダイブする。


 まだ消灯時間ではなかったが、二人の疲労は相当なものであった。


 フキも、ベッドに入り、眠りについた星一を見て、「ありがとう」と感謝し、目を瞑る。


 明日からフキと星一を迎える学園生活はどのような波乱を生むのか。

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