15話:衝撃の一言
星一は、広場でフランに指導でフキと同じに魔力のコントロールと体術、加えて剣術を指導している。
「剣は中学の時ちょっとだけ使ってたけど......」
剣に関しては、ちょっとしかかじっていないため、教えれるか悩む。
「この魔力コントロールができると、並の魔道士より強くなれる?」
フランは自分が強くなるためになんでも聞いてくる。
「なれる! なれる! 並の魔道士は魔力コントロールが雑い人が多いと思うから、魔力を巧みに使えるフランの方が強いよ」
「うん! 頑張るよ!」
星一は一生懸命に励むフランを見て笑みを浮かべる。
「ん?」
星一は何かに見られている感覚に襲われる。
「誰だ?」
場所まではわからない。だか、相当やるな。と胸の内で星一は思う。
二人は鍛錬を終えるが、まだ視線を感じることに星一は不審に思う。
フランはマヤセのところへ行き、星一は、見ているやつを誘き出すために、学園を出て街に行く。
星一は歩きながら尻尾を出さないか探っている。
「全然出てこないな......」
星一は人気のない路地裏に入り、立ち止まる。影がひらりと揺れた瞬間、星一が素早く動き、腕を捻り上げ捕縛した。
「誰だ?」
星一が捉えたのは、薄い青色の長い髪に容姿が整った女性だった。
「お強いですね..….」
女性は痛みを堪えながら、落ち着いた声で答える。
「..….すいません。つけるつもりはなかったのですが」
星一は怪しみながら、力を強める。
「言い訳はいい、名乗れ」
「私の名前は――ラスカ・メルベリア。フランの姉です」
星一は驚きに目を見開き、すぐに手を放す。
「う、うぇ!? どうして王者様が!?」
「妹のことが心配で見にきていました。フランは、昔から魔法が使えない自分を責め続けていましたから」
星一は腕を組みながらラスカの話を聞く。
「でも、そんな心配は杞憂だったみたいです」
ラスカは優しく微笑みながら言う。
「あんなに真剣で、楽しそうなフランの瞳を見たのは本当に久しぶりです」
その瞳には、妹を想う深い愛情が宿っていた。
「あなたのおかげですね、星一さん。妹を支えてくれてありがとうございます」
「いえいえ、俺はただ稽古に付き合ってるだけですよ。でも、フランはいい子ですね。素直だし、頑張り屋だし」
「はい。そこがあの子の良いところです」
ラスカは少し頬を緩めるが、すぐに表情を引き締める。
「フランのことを今後ともよろしくお願いします」
「任されました!」
星一は敬礼の構えをする。
そして、星一は周囲を見渡し、ここがどこだかわからなかった。
「あのぉ〜どうやったら学園に帰れますね?」
恥ずかしながら星一はラスカに道を聞く。
ラスカは小さく目を見開き、すぐに納得したように頷く。
「なるほど......星一さんはこの街に来てまだ日が浅いんですね」
「まあ、そんなところです。だから毎回迷子になりかけてて」
ラスカは少し考え込んだあと、「ふっ」と微笑む。
「星一さんはまだ時間はありますか?」
「ん?はい。特に用事はないです」
なんでそんなことを聞くのか星一は不思議がる。
「そうですか。では、私がこの街を案内して差し上げます」
星一は一瞬驚き、気恥ずかしそうに頭をかく。
「え、いいんですか!?」
「はい。妹がお世話になっていますし、私も星一さんがどんな人か気になるので」
そう言っているが、ラスカは暇だったのだ。
ということで、星一とラスカは街を見回ることになった。
街の中央に行き、そこにはお店がたくさん並んでいる。白い石畳が夕陽を反射し、香ばしい焼き菓子の匂いが漂っていた。
「ここのお店の焼き菓子はフランの大好物なんですよ」
「小さい頃は二人でよく食べ歩きをしていました」
ラスカは昔のフランとの思い出を語る。
星一は少し笑いながら返す。
「へぇ、意外と普通の女の子なんですね」
「気は少し強いですが、可愛い面もあるんですよ。お土産にこの焼き菓子を買っていきましょう」
ラスカは焼き菓子を3つ買ってくれた。
「星一さんから渡してあげてください」
「これは、どうもありがとうございます。フランもきっと喜びますよ」
ラスカはニコッと笑う。
その後も星一は、ラスカに色々な場所を案内される。
門限が迫っているため、星一は帰る胸を話す。
「すみません、もうすぐ門限が......」
「そうですか......楽しい時間は短いものですね」
ラスカはこのように街に降りて自由な時間を過ごすことが滅多にない。この時間が名残惜しくて、寂しい顔を見せる。
「この道をまっすぐ行けば学園に着くはずです。私はこのまま城に戻ります」
ラスカは星一に道を教え、ここで別れることを伝える。
「はい! 俺も楽しかったです。ありがとうございました」
星一は、街を案内してくれたラスカに深く感謝する。
「はい。また会いましょう」
そう言って二人は別れ、星一は学園に歩き出す。
夕暮れ、学園の門が見え始める頃、星一はお土産の袋を持ちながら思う。
「いやー、まさか王女様に奢ってもらえるとはな〜これもフランに渡してやらねーと」
フランのお土産を持ちながら、ルンルンで帰っている。
すると前方から息を切らしながら走ってくるフランの姿があった。
「はぁ、はぁ......星一くんどこ行ってたの!?」
お前のねーちゃんが、と星一は心の中で思う。
「ちょっと街で用事があってな、それよりどうした?そんなに慌て」
フランは一瞬言い淀むが、すぐに言い放つ。
「大変なんです! フキさんが......退学になるかもしれません!」
衝撃の一言を告げる。
「へ?」




