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腹部への攻撃、思い出すあの日

「小早、左だ! 合わせろ!!」

関の鋭い声。 私は視界の端で怪物の巨大な質量を捉え、空中にベースを叩きつけるように生成しながら、関が被弾しないように防御をする。折れた足の痛みに耐えながら広域障壁を維持する中山教官と、最前線で神力を振るう桜木教官。二人を支えるための機動を関にさせる――それが、今の私が1番するべきことだった。

しかし、その瞬間――

「っ……、あ……っ!?」

逃げ場のないタイミングで放たれた敵の追撃波が、私の腹部を正面から捉えた。 シールドで威力を削ったはずなのに、鈍い衝撃が身体の深部へと突き抜ける。

思わず胃酸を吐き出す。

……つっぱる……っ、痛い……痛い痛い痛いっ!!

かつて附属病院の駐車場で、関内の妹に深くナイフを突き立てられたあの場所。 あの古傷が、圧力に耐えきれず、引き裂かれるような悲鳴を上げた。

「っ、……はぁっ、……っ、ひぅ……っ!!」

あの日の絶望的な痛みが鮮明に蘇る。ナイフが刺さっていく感覚。肺挫傷の痕がジリジリと焼け付くように痛み、呼吸をするたびに肺にガラスの破片が突き刺さるような感覚。

視界が急速に白濁し、あの時の駐車場の光景が、目の前の戦場に重なる。血の匂い、鉄の味。 意識がパニックを起こし、喉の奥がヒューヒューと鳴り始めました。

「小早っ!? 返事をしろ、小早!!」

無線の向こうで関が叫んでいるのが聞こえる。 だけど、声が出ない。 激しい過呼吸だ。酸素が脳に届かず、指先が凍りついたように痺れていく。

……だめ。……関を、……来させちゃ……だめ……っ

必死に霞む目を凝らせば、関が私の方へ機動を向けようとして、敵の集中砲火に晒されそうになるのが見えた。 今、彼が攻撃の手を止めれば、彼は一瞬で蜂の巣にされてしまう。 中山教官も、桜木教官も、自分の戦線を守るだけで精一杯なのだ。

「っ……、ふ、ぅ……っ!!」

私は溢れ出る脂汗を振り払い、震える右手で、空中に無理やり防御を続ける。

腹部が爆ぜそうなほど痛い。 呼吸をするだけで意識が飛びそう。 だけど、私の神力の器は、まだ枯渇なんてしていない。

「……せき……、まえ……っ、前を見て……!!」

肺から血を吐き出すような思いで、一言だけ通信を投げました。

生かされた私が、今ここで止まるわけにはいかない。

痛みに勝つのは執念か、それとも……。

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