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しなせて
人工呼吸器がようやく外れ、小早はまだひどく掠れてはいるものの、自らの声で言葉を紡げるようになった。
だが、全身を襲う激しい疼痛と神経障害性の痛みに意識が朦朧としているのか、彼女は虚ろな瞳のまま、かすかな息とともに細い声を漏らした。
「……しな……せて……」
幸い、今日は外せない重要任務のために、関はこの病室に同席していない。このあまりにも残酷で、聞き捨てならない言葉を耳にしたのが自分ひとりだけで本当に良かったと、心の底から思った。
「……小早……。これは俺の勝手なエゴだが……小早が死ななくて、本当に……良かったんだ」
言葉を絞り出しながら、ベッドの柵から外された彼女の冷え切った右手をそっと両手で包み込み、懸命に摩る。
いつもの小早の手は、訓練の熱や生きる力に満ちて、もう少し温かかったはずなのに。
――『桜木教官!』
そういつものように元気いっぱいに名前を呼び、眩しくニコニコと笑っていたあの日の姿とは、まるで別人のようにやつれてしまっている。
どうか、この子の背負った痛みを、誰か代わってやってくれ。その苦痛をすべて取り除いてくれ……。
祈るような思いでボロボロになった小さな身体を見つめることしか、今の俺にはできなかった。




