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休ませたい
関は今晩パトロールに入っており、明日は非番だ。小早も長かった出張が明けて、同じく明日は休み。俺自身も当面は休みが割り振られている。中山の明日のパトロールのシフトは、他の人間がすでに代わりを引き受けてくれていた。
最低限の業務はどうにか回せると頭の中で算段をつけながら、助手席で眠りこけている小早の顔をそっと覗き込む。
――この1ヶ月で、あいつは明らかに痩せこけていた。いや、それは単に痩せたというよりも、極限まで心身をすり減らした「やつれ」に近いものだった。
聞いていた通りだ。大阪での任務は過酷を極め、この1ヶ月の間にまともな休みはたった4日しか取れなかったという。明日からは、無理にでもこの病院ではなく、寮のほうへ帰らせてゆっくり休ませなければならない。そう考えながら、俺は自身の制服の上着を外し、小早の肩口へと静かにかけてやった。
「……さくらぎ、きょうかん……」
うわ言のように掠れた名前を呼ばれ、胸の奥が締め付けられる。
「……まだ事態は何も変わってない。何かあればすぐ起こしてやるから、今は体力を温存しておけ」
低い声で告げると、小早はわずかにうなずき、再び深い眠りへと落ちていった。張り詰めていた糸がプツリと切れたようなその無防備な寝顔を見つめながら、俺はやり場のない痛みをただ静かに飲み込んだ。




