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回顧:俺だけ取り残されている
「中山は……?」
枕元に立つ者に、掠れた声をどうにか絞り出す。全身を巡る高熱と激痛で、自分の声がどこから出ているのかも分からない。
「生徒の見送りと、生き残った生徒が体調不良みたいで、その対応に回ってます」
「……小早か?」
「ええ、王子さんが倒れたみたいで、そっちにつき添ってますよ」
「そうか……」
関はどうしている。あいつも限界のはずだ。中山も、小早も、関も、みんな壊れかけているというのに、俺はベッドから一歩も動けない。誰一人として守れなかったこの場所で、俺だけが取り残されている。
「きちんと寝ていて下さい」
冷たい声とともに、看護師の手で点滴のチューブに新たな管が繋がれる。瞬間、血管を伝って強い冷たさが広がり、頭の芯が急激に重く沈み込んでいった。睡眠効果を強めた鎮痛剤だ。
体を走る激痛や、生徒たちを失った絶望から逃れるように、抗う間もなく強烈な睡魔が襲いかかる。
――中山も、小早も、関も……みんな、大丈夫なのか……。
誰かを案じる思考の糸が、プツリと音を立てて引きちぎられていく。心配でたまらないというのに、どうしようもないほどの熱と薬の重さに脳を焼き尽くされ、俺の意識は容赦なく深い闇へと引きずり落とされていった。




