回顧:違いは何だったんだ
中山が何とか俺のわがままを聞き入れてくれ、あいつがどこかに連絡をつけたことで、どうにか車椅子での式典参加が許された。激しく痛む身体を引きずるようにしてその場に身を置いたが、目の前で執り行われる現実が、どうしても脳内で処理しきれなかった。
式典のあと、俺は亡くなった生徒たちの眠る場所へと連れて行ってもらった。
冷え切った霊安室に並ぶ小さな棺の群れ。その一つ一つの前で車椅子を止めてもらい、生徒たちの顔に自分の手でそっと触れていく。熱を持った俺の手のひらが、あまりにも冷え切った彼らの肌の温度を伝えてくる。その残酷な冷たさが、彼らが二度と戻らないという現実を嫌というほど突きつけてきた。
――生き残った生徒とお前たちの差は、一体何だったんだ……?
未だにその問いが頭から離れない。俺は、お前たちが過酷な戦場や脅威から生き残れるようにと、持てる知識のすべてを教え込み、鍛え上げたつもりだった。それなのに、なぜ。なぜお前たちは助からず、俺だけがこうして息をして、ここに座っているのか。教えるべきことを間違えたのか。あの夜、俺がもっと早く目を覚ましていれば。判断の遅れが、防げたはずの死を招いたのではないかという悍ましい後悔が、心の奥底から這い上がって胸を引き裂く。
その後、担当していた生徒たちの保護者の方々と顔を合わせた。
遺族の前に立った俺の姿は、包帯だらけで血の滲んだ軍衣を纏い、人間とは思えないほどボロボロだったのだろう。言葉を絞り出すこともできない俺を見て、逆に保護者の方々から気を遣われ、痛々しい労わりの言葉をかけられてしまった。
――違う。違うんだ。
俺なんて、そんな風に気遣ってもらえる人間じゃない。我が子を奪われた遺族から罵られ、糾弾され、路頭で唾を吐きかけられて当然の、最低の指導者のはずだ。それなのに、優しくなどされてしまうと、罪悪感でいよいよ息ができなくなる。守れなかった者たちの温もりと、遺族の痛みを一身に背負いながら、俺はただ地獄のような後悔のなかに沈み込んでいくしかなかった。




