中山隊正式稼働
正式な部隊として認められたその日、俺たちの新しい拠点となる作戦室には、どこか引き締まった、それでいて心地よい空気が流れていた。これまでの中山隊は、あくまで戦闘補佐隊の中で臨時に結成された流動的な部隊にすぎなかった。しかし、第二次九州北部大侵攻での戦果を経て、これからは正式な部隊としての扱いを受けることになった。呼び名も名乗りも変わらない。だが、かつての小早のように1人だけ数ヶ月単位で他の前線に応援へ呼ばれるようなイレギュラーは減り、これからはこの4人で確固たる一つの隊として動き続けることが増える。
もともと中山教官も桜木教官も教官としての業務からはほぼ離れ、実戦の最前線で指揮や戦闘に当たるようになって久しかったから、組織の体制が実態に追いついたという意味でも、今はまさに絶妙なタイミングだった。
俺はふと斜め前を見る。そこには、あの苦しいリハビリを乗り越えて、今はしっかりと自分の足で、そして隣には俺がいるこの場所で前を向いている小早の姿があった。
「……よかったな、小早」
思わず口元が緩み、抑えきれない高揚感を隠せないまま声をかける。小早はぱっと顔を輝かせ、あの時見せた不安げな表情はもうどこにもない満面の笑みで大きく頷いた。
「うん! これからはずっと、このメンバーで一緒だね、関」
その弾んだ声を聞くだけで、胸の奥が熱く満たされていく。かつての痛ましい記憶や、失った仲間への想いが消えるわけではない。けれど、俺たちは過去を引きずったままじゃない。心の中にいつもあるあの日の温もりも、目の前にいる大切な仲間も、すべてを乗せて――俺たちは今、本当の意味で自分たちの翼で次の空へと飛び立ったのだ。




