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原点

関目線―――


桜木教官は昔話を淡々と語る。その声は懐かしむような感じもない。まるでただの事実を口にしているような。

「中山は残り少ない神力をシールドにしてしまってな。中山も決死の覚悟でやっていたんだろ。眠っている中山は起きそうにないし、シールドはどうにもならないしで、俺は唖然としたまま宙に浮いていた。

そうしている内に仲間が相手の心臓を破裂した。その閃光が光って目が覚めたら病院だった。」

それって…。息を深く吸い込み、桜木教官は

「相手が神力を最後に爆発させて周りの仲間4人を巻き込んだんだ。」と事実だけを述べた。


「俺と中山は中山のミラクルによって生き延びた。中山も俺も1週間は目が覚めなくて、目が覚めたら全て終わっていて…。中山なんてダメージが大きすぎて1ヶ月は話すことも起き上がることも出来なかった。

起きてきた中山に聞いた。

何故あの時俺を助けに内部まで来たのかと。

そしたら笑って、お前が死のうとしてたから。ってさ。

こいつには適わねぇって思ったよ。

中山は優しいやつで、仲間の死で気を病んでしまって半年は病院にいたんだ。俺は一ヶ月ぐらいで復帰したが帰る班はなく、生き残りだと蔑まれた。」

蔑まれた?なんでだ?生還することは民間人の保護の次に大切なことのはずなのに。

そんな俺の疑問に答えるように

「あの当時は生き残りは不名誉だったんだ。」と短く答えた。

「不名誉…。」

「あぁ。俺らは行く宛もなくさまよっていてな、俺も辛くて休職届けを出して、半年ばかし実家にいたんだ。その間に退院した中山はなぜか教官見習いをしていてな。俺も行く宛もなくて教官見習いの手伝いをすることになった。

そうして2人とも教官になり、あの戦争から学んだことを活かして中山は無理をさせない、しない、個性を伸ばす教官に。

俺はとにかく1人でも強い生徒を排出することを目標とした教官になった。」

教官のオリジンを聞いてしまった。

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