応援準備
「こちらが関中尉と王子中尉の隊服です。ワッペンはこちらで付けておきましたのでお伝えください」
「いつもありがとう。預かっとくな」
受け取った伝票の控えに、ペンで『福岡第二明光隊派遣 関悠斗中尉、王子小早中尉』と手際よく書き込む。
「中山、荷物これでいいか?」
「ああ、桜木もやはり五日分は持っていくか」
「当たり前だろ。今回は前回以上って話だしな」
俺たちは自分たちの荷物を抱え、慌ただしく送迎の車まで運び込んだ。すでに立川や八王子から駆けつける他の増援メンバーたちも集まっており、それぞれの荷物を次々と積み込んでいる最中だった。
空港へと向かうバスの中では、それぞれが思い思いの時間を過ごしていた。桜木は相変わらずの手際で、とにかく持ち込んだ食糧をひたすら口に放り込んでいる。
「中山、寝ないのか?」
「……まだ眠くないからな」
ふーん、と言った調子でパンをかじり続ける桜木。いよいよ大規模な戦闘が始まるというその直前、神力を使うエネルギーを蓄えるために限界まで食べておくというのは、いかにもあいつらしい。
搭乗した軍用機は空間が広く、一般の民間機のような面倒なチェックイン手続きもないため、移動の負担は幾分か軽かった。
だが、これから戦場となる空へと繋がっている窓の外の空は、どんよりと重い鉛色の雲に覆われ、今にも冷たい雨が降り出しそうだった。飛行自体は問題ないと聞いてはいるが……どうにも縁起が悪いなと、俺は密かに眉をひそめた。




