4日目
小早が意識を取り戻してから、四日が過ぎた。
一日のほとんどを泥のように眠って過ごしていた状態から一転し、あいつの身体は気味が悪いほどの急激な回復を見せ始めた。
自力で体を起こし、病室内を歩けるまでに体力が戻った。そればかりか、食事が出されると、まるで飢えた獣のように必死の様相でガツガツと食べ物を口へ押し込むようになった。
頭部からの大量失血と重度の貧血により、生命の根源である肉体が本能的に血と栄養を激しく欲しているのだと医師は言っていたが……その凄絶な貪食の様子は、見ていて痛々しく胸が締め付けられるほどだった。
そして——今日、ついに小早は明光隊の三人(相原、片倉、南野)との面会に応じた。
頑なに扉を閉じ、面会を拒み続けていたあいつの頑なな心を溶かしたのは、他ならぬ関の泥臭く必死な説得だった。
「小早……逃げるな。ちゃんと会って、話せ」
関に背中を押され、病室の重いドアが開かれた。
面会が終わった後、廊下へ出てきた明光隊の三人は、涙で顔をグシャグシャに濡らしていた。
小早は彼女たちに対し、自分の不注意で巻き込んだこと、一人で抱え込んで黙って出撃したこと、そして心配をかけたことを、消え入るような声で何度も、何度も謝り続けていたのだという。
拒絶していたのは、彼女たちを嫌ったからではない。
自分という存在が彼女たちを傷つけ、死の淵へ追いやったという耐え難い罪悪感から、合わせる顔がなかっただけなのだ。
頭に白い包帯を巻き、痩せた肩を震わせながら必死に頭を下げる教え子の姿を想像し、俺は静かに壁に背を預けた。
ひとまず、固く結ばれていた絶望の糸は解け始めたのかもしれない。
だが、あの惨劇の記憶と、安宅を失った心の傷が消えたわけではない。破滅的な急回復の裏にある小早の危うさに、俺は未だ拭いきれない胸のざわめきを抱えていた。




