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迷子の呪い使い  作者: むぐらのこ
本編 まじない少女と拉致騒動
17/29

十二、安静に過ごすのは難しい


 内緒話を除き、ネグと話した雑談も含めて覚えている限りを説明した。

 もちろん自分のおまじないに関わることや、気づいたけど話さずにいた事は内緒のままで。


「そっかー。話に出てきた屋敷は多分騒動があったところだねー。オレがネスを保護してすぐくらいに別の班がその屋敷に向かってたんだけどー、屋敷中の人間が意識不明で倒れてたんだって聞いたよー」

「え」

「元々は雷が落ちたから様子見に、って要請がかかったんだけどびっくりだよねー」

「け、怪我人とかは」

「それはちょっと言えないかなー。でも、とりあえず目につく人間を治癒院送りにした後すぐに屋敷が崩れ出して、どこから火がついてあっという間に全焼だったよー」


 かみなりの音を聞いたところは記憶があるし、やっぱり、とも思ったけれど屋敷が崩れて焼け落ちるとまでは思ってもいなくて驚きで口が開く。

 警備隊が来る前に出られたのは、ある意味幸運だったのかもしれないと密かに思う。


 でも、それにしたって色々と力技すぎる。


「あ、レオルグは無事だよー。詳しい事は言えないけど怪我もないとは聞いてるからー」

「よかったです。……あの、それで、ネグさんがまだ捕まっているかしれなくて」

「うんうん。ネグはオレが探しておくからキミはもう寝なー?また後で話聞かせてねー」

「っできればネグさんに会いたいのですが」

「んーできたら連れてくるよー。話を聞いた感じ、その腕ネグの前で怪我したんでしょー?じゃ、あいつも気になってるだろーし」


 そう言って席を立ったルーエンは、じゃあねぇと言いながら部屋から出ていった。

 交代で入ってきたマーレの姿がチラリと見えたけれど、思ったより限界だったらしい意識がするりと眠りに落ちていった。



*


 体がどうにも痛くて、でも怪我ではないから時間経過では何も良くならない。

 原因はわかっているしどうにかすることも出来るけれど、それを実行する良い方法が思いつかない。


 そんなことを考えながら、心配するマーレから何度目かの食事を受け取る。

 目が覚めてやっと1日が終わったと聞いて、人の気配に慣れないまま意識を沈めた。



 ふと目を覚ますと、ぼんやりとした視界のままにいつもの格好なルーエンがいた。


「あ、起きたー?ね、カロズんとこで何回か会ったでしょ?キミさぁ、いつも逃げるのどうしてー?」


 いつの間にかベット横に人がいるのも、未だに慣れない。

 大抵はマーレだったり名前も知らないメイドさんだったりするけれど、怪しげなルーエンがこちらを見ていることもあって……体はピクリとも動かしていないけれど、内心では毎回盛大に驚いている。


 唐突な痛みに目を覚ますことも多く、今も含めてほとんど気絶するように眠っているから余計疲れてずっと眠い。

 いつも目覚めは悪い方だけれど、最近は特に寝ぼけがひどかったから気を、……


「……みられるの、苦手だから……」

「?オレ、そんなに見てないと思うけど」

「ぅん……?視てる、よね……?」

「……カロズから何か聞いた?」

「んぇ?なんでおっちゃ……ん?」


 ふと、目の前のルーエンから不穏な空気が滲んでいることに気がついて目が覚めた。

 寝起きと寝不足でポヤポヤした思考のまま反射的に返事をしてしまったと、遅れて気がついて頭の後ろがスッと冷えていく。


 どこから会話を間違えたのかと必死で記憶を探るけれど、寝ぼけていた所為か何を言ったか覚えていない。

 ついさっき気をつけようと思って……。


 思って、いる最中に話しかけられてうっかりしたことに気がついて、なんだか寝不足のせいだけじゃない目眩を感じた。



お読みいただきありがとうございます。

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