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シーン1 朝――起こされるヒモ

(登場人物)


青井由太

江戸から京都へ流れ着き、静に拾われた青年。働くことは嫌いだが、料理・洗濯・掃除は得意。年上女性に可愛がられる才能と、本人に自覚のない情報収集能力を持つ。


神無月静

由太の「飼い主」。表向きは花街で生きる女性だが、裏では倒幕派に関係する女間者。剣の腕も立つ。

朝。


障子の向こうから日が差し込んでいる。


鳥の声。


遠くから聞こえる物売りの声。


そして――。


静:

「由太」


返事はない。


静:

「由太」


布団の塊が少し動く。


由太:

「……起きてる」


静:

「嘘をつけ」


由太:

「心は起きてる」


静:

「身体も起こせ」


由太:

「あと少し……」


静:

「飯はどうする」


由太:

「食べる」


静:

「誰が作る」


由太:

「……俺」


静:

「なら起きろ」


布団から由太が顔を出す。


由太:

「静さん」


静:

「何だ」


由太:

「作って」


静:

「嫌だ」


由太:

「たまには」


静:

「お前を養っている上に、なぜ私が朝飯まで作る」


由太:

「飼い主だから?」


静:

「捨てるぞ」


由太:

「起きます」


由太は布団から這い出した。


今日も青井由太の一日が始まった。


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